2015年3月18日水曜日

「自分のキャリア」を会社まかせにしていて平気なのか


企業内のミドル層からシニア世代の、キャリア自律を考えるというイベントに参加しました。

特に大企業に属している人、安定した職業についている人ほど、自分自身のキャリアを自分では考えず、会社まかせにしている傾向があります。
こんな人たちのマインドチェンジをするべく、主に大企業では、年齢の節目ごとに自分のキャリアを考える研修を実施したり、キャリアカウンセラーを配置して相談窓口を設けたり、その他いろいろなプログラムが設けられています。国のレベルでも、ミドル、シニア層のキャリア自律を支援するいくつかのプロジェクトが動いています。

これから少子化の時代を迎え、労働人口自体が減っていく世の中に入り、限られた労働力を適正に活用する上で、人材の流動化や再配置が必須となってくる流れの中で、これらが重要な取り組みであることは間違いありません。

ただ、こんな動きに対して私が思うのは、自分のキャリアというまさに自分自身のことなのに、それほど手間をかけて会社や周囲から注意喚起されなければ、自分で考えようとしない人がたくさんいるという事への驚きです。
本来は自分自身のことなのに、これほど会社まかせで平気でいるのかという事への疑問とともに、会社や世間の対応も、当事者に対してあまりにも過保護という感じがしました。

裏を返せば、それほど会社をあてにしていても平気だという意識が、過去からの積み重ねで浸透しているという事です。仕事は上から降ってくるものだから、自分でどうこうできる物ではない、やりたい仕事や部署異動なども、自分の意志ではどうにもならない、そんな自分で決めないという意識が定着してしまっているということなのかもしれません。

ただ、はっきり言って、今はそんな人まかせで安泰の時代ではありません。どんな会社でも、今後5年くらいのうちにどんな展開になるのか、本当のところは誰にもわかりません。
将来を見通すことはいろいろな面で難しくなっており、今後がどんなシナリオで進むかによって、関わる人たちのキャリアには、大きな影響があります。

これまでの日本企業におけるキャリアの積み方というのは、マラソン型と言われています。長いレースに参加し続けることはできますが、、一度集団から脱落すると、その後の挽回は難しく、序列が固定してしまいます。
これが例えばインドなどであれば、毎日が100m競争のようなイメージだそうです。日々の結果によって序列が常に変わっていくような形で、次のレースに必ず参加できるかどうかの保障はありません。

キャリア自律という事は、自分のキャリアを継続的に考え、行動をし続けるということなので、それぞれの当事者である個人が考えるのは当然なことだと思いますが、実際にはなかなかそうなってはいません。問題意識は持っていて、考えようとはするものの、何をすればよいのかわからないという人もいます。

 そんな人も、まずはそれほど難しいことではなく、自分の好きな事、得意な事を整理してみるようなことから始めてみてはいかがと思います。多少は周囲に手助けしてもらった方が良い場合もあるでしょう。

いずれにしても、自分のキャリアを会社まかせにして自分で考えていないということは、とても怖いことだと思います。


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