2013年9月4日水曜日

「中小企業だから人は選べない」という思い込み


採用活動をしている中で、「大手に入社できるなら普通そっちを選ぶでしょ」「中小企業だから大手みたいに人は選べないよ」などとおっしゃる中小企業経営者、役員や社員、取り巻く関係者の方々は、意外にたくさんいらっしゃいます。

人の採用に苦労しているからこそ、そう思うのでしょうし、確かにそういう部分が無いとは言いません。ただ私は、そこに“思い込み”“決めつけ”という要素も多分にあると思っています。

例えば、応募者としてお会いする人たちに希望する会社の規模を聞いてみると、「それほど大きな組織でない方が良い」「中小企業の方が良い」と答える人はかなりたくさんいます。「是非大手企業に行きたい」という人ばかりではありません。
ただし具体的に思っている規模は、人によってバラバラ、まちまちで、50名という人も300名という人も1000名という人もいます。その人数規模がその人にとっての“あまり大きくない組織”の定義ということですが、自分たちの会社が許容されているのか、本音の希望はどの程度なのかは、実際に聞いてみなければわかりません。でも少なくとも、みんながみんな世間で認められているような大手企業ばかりに行きたい訳でないのは確かです。そして応募してきているということは、自社の規模でも許容はされているということです。

また「人を選べない」というのは、たぶん「そんなにたくさん応募者がいない」ということの裏返しでしょう。中小企業での応募者集めは確かに難しいですが、工夫によって改善できることはいろいろあります。最近は、テレビなどを通じて偶然自社製品が認知された中小企業に、その後多数の応募者が殺到したなどという話がありますが、これはその企業の中身への理解が深まれば、中小企業だろうと何だろうと、興味を持つ人が誰かしらは必ずいるということです。

ハローワークに求人票を出したって、希望するような人はなかなか来ないし、なぜ希望する人が来ないかといえば、やっぱり企業の中身の理解が深まっていないからです。
それではダメだと思い切って高価な求人サイトに広告掲載をして、多少人の目に触れる頻度が上がったとしても、企業理解が深まっていかなければ結局は同じことです。そしてそんな状況を、「中小企業だから人は選べないよ・・・」という言い訳で思考停止しているように感じます。

大手の方が“安定している”、“給与や福利厚生といった待遇が良い”、“知名度やステータス”といったところはあるでしょう。ただしそれをすべての人が最優先で望んでいるとは限りません。
もう一度、「企業理解を深める」ということを主眼にして、採用の取り組みを工夫してみてはいかがかと思います。


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