2014年2月7日金曜日

頑張ったってどうせ大差がない?


会社として、社員のモチベーションアップを考えるにあたっては、仕組みや制度、仕事の与え方や指導方法、人間関係作りやキャリアプラン作り、その他いろいろな施策をからめて考えて行きます。今でも「社員のやる気なんて結局は給料次第」などとおっしゃる方もいますが、残念ながら人間はそれほど単純ではありません。

そんなモチベーションアップ、動機づけのための施策を行っている中で、こういう言い方をする社員がいます。

「頑張ったって、どうせ大した差は出ないから、そこまでやりたくありません。」

人事評価などで仮に良い評価をもらったとしても、一気に給与が上がる訳でもないし、急に出世する訳でもないし、仕事内容が良くなる訳でもないから、別にそんなにやる気を出さなくても、ほどほどに今のままでやっていれば良いというようなニュアンスです。

確かに大きな歩合給のような制度を取り入れている企業の営業職などであれば、やったかやらないか(というより結果が出たか出ないか)によって、給与の処遇は大きく変動しますが、他の一般的な企業や職種では、その部分のメリハリはそれほどではないこの方が多いかもしれません。

こんなことから、「ではもっと評価による給料差をつけよう」とか「年齢に関係なくどんどん昇格させよう」という話が出てきますが、では本当にそうすれば、前述の発言をした張本人は、やる気を出して頑張るようになるのでしょうか?

もちろんそれをきっかけに頑張り始める人もいるでしょうが、この手の発言をする多くの人に話を聞いた私の経験で感じるのは、残念ながらそうではありません。

例えば、自分の仕事のパフォーマンスがいまいちだったとして、「やる気を出せばできる」「やる気が出ないのは周りのせいで仕方ない」といえば、いかにも実力を温存しているように聞こえますが、実際にはそれが本人の能力不足ということも多分にあります。
初めは本当にやる気が出ずに力をセーブしていたのかもしれませんが、その状態はいつの間にか自分の中に定着し、いざセーブしていた能力を使おうと思った時には、もうその力は消えてしまっています。

また、仕事自体への優先順位が低い、責任感をあまり持っていないというような人であれば、そもそも仕事に対する「やる気」自体を持ち合わせていないので、どんなに周りの環境が変わっても、本人の行動に変化はありません。
こういうものは、その人にしっかりと定着してしまっている職業観でもあるので、これを突き崩すことはなかなか難しく、時間も労力もかかります。

こう考えると、「頑張ったってどうせ大差がない」という人の多くは、「差がつくようになっても頑張りはしない」ということです。「頑張ったって・・・」という言葉の背景には、言い訳の要素が多分にあります。

ただ、頑張りの量に比例するかは別にして、差がないということは絶対にないと思います。他人からの信頼、自分のスキル、能力などの何かしらが、必ずプラス方向に変わってくるはずです。

やる気が出ないなどと斜に構えていると、結局損するのは自分です。
「頑張ったってどうせ大差がない」と一度でも思ったことがあるならば、自分のやる気のなさを一方的に周りのせいにしていないか、今一度見直すことが必要だと思います。


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