2014年11月17日月曜日

「女子アナ内定取消」に感じた会社と応募者の「入社前」への過剰な反応


日本テレビからアナウンサーとして入社内定をもらっていた女子大生が、その内定を取り消されたために裁判を起こしたという話題を見ました。

取消の理由が、「知り合いが経営する銀座の小さなクラブで短期間アルバイトをしていたこと」だそうで、「夜のクラブでのバイトがアナウンサーにふさわしくないのか」「バイト歴を就職活動時の自己紹介シートに書かなかったのは取消の理由になるのか」などを、会社の人事部と話し合ったものの不調に終わり、結局裁判に至ってしまったようです。

数年前には、新卒の内定取り消しをしながら即戦力の中途採用を行うなど、かなり乱暴な内定取り消しが問題になりました。今はこれほど極端な例はなくなりましたが、それでも主に直近の業績を理由にした内定取り消しは時々耳にすることがありますから、まったくの他人事とは言えないでしょう。

企業側からの内定取り消しというのは、そう簡単にできることではありませんから、会社が採用内定に関して慎重になるのは当然です。ただ最近は、そのためのチェックが少し過剰ではないかと感じることがあります。これは主にツイッターやフェイスブックなど、SNSの存在によるものが多いようです。

応募者のSNSに投稿されたパーソナルな情報について、それを閲覧している企業の話は結構な頻度で聞きます。投稿内容から面接時の話にウソはないか、仕事への姿勢や性格といったことの判断につながる内容をチェックしたりします。
「おかしな人を採らずに済んだ」などという話がある一方、掲示板への書き込み、SNSなどネット上でチェックする情報が多くなりすぎて、仕事が増えてしまったなどという嘆きも聞きます。

これは応募者の側でも、例えば新卒の就職活動であれば、以前のアカウントを削除して過去の素行が調べられることを防いだり、投稿内容によって見られる人を限定したりします。就職活動で不利に扱われてしまうかもしれない情報は、できるだけ隠そうとします。

採用担当者は、応募者に関する情報があるならば、できるだけ多くのことを調べたいと思うでしょうし、応募者からすれば、やましいことは何もなくても、何が好ましくないととられるかがわかりづらいならば、そんな情報は隠しておきたいと思うでしょう。そもそも自分のすべてが暴かれてしまうようなことが、うれしいはずはありません。

SNSなどネット情報のチェックは、お互いのミスマッチを減らすことにつながる面もあるので、すべてを否定はしませんが、どうも会社と応募者の間で、粗探しの化かし合いをしているような気がしてなりません。

ウソ偽りや犯罪行為はともかく、「入社前」の行動に対して、そこまで過剰な反応をすることが、果たして必要なのだろうかという疑問も感じてしまいます。


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