2014年11月26日水曜日

嘘をつくつもりがなくても、嘘になってしまう時がある


 「嘘も方便」などといい、それを実践するかのようにうまく立ち回る人がいます。
幸か不幸か、私の周りにはいませんが、そういう人に関するうわさ話を聞くと、やはりどこかで恨みをかったりトラブルを起こしたりして、結局は縁が切れてしまうことが多いようです。

顧客、社員、その他関係者からの信頼を失い、周りから人が離れていき、少なくともその当事者間では、ビジネスそのものが成り立たなくなってしまいます。中長期での安定した関係が築けないということで、やはりビジネスの上での嘘は禁物だと思います。

国内の商慣習であれば、嘘を言ってまでも儲けようという人に出会うことはほとんどありません。正直にビジネスをしている人が9割以上だと思います。
そんな中で、ある会社の社長さんが新入社員にされていた講話で、「嘘をつくつもりがなくても、結果的に嘘になってしまうことがある」というお話をされていました。

例えば、相手の言うことを深く確認せずに思い込んだまま、「わかりました」などと安請け合いをしてしまい、もしも意図が食い違ったままに物事が進んで行って、その食い違いがどこかで発覚すると、初めに言った「わかりました」という言葉が、「実はわかっていなかったじゃないか!」と、相手にとっては嘘をつかれたことになってしまう、というようなお話でした。

本人には嘘をつくつもりは全くなく、相手も嘘をつかれるとはまったく思わず、お互いにまったく悪気はなくとも、少しのコミュニケーションギャップを放置しただけで、それが嘘につながってしまうようなことがあるということです。

この話を聞いた時、私自身もドキッとしてしまいました。お互いの思い込みによる行き違いというのは、大きなことから小さなことまで、いろいろな場面で経験していますが、それが「結果的には嘘をついたことになる」とは、思ったこともなかったからです。

単にコミュニケーションの行き違いだと軽く考えていると、それが意図していなかったとしても結果的に嘘となり、嘘はそこから信頼を失い、人との縁が切れ、ビジネスが成り立たなくなる恐れがあるということです。

一つ一つは小さなことでも、コミュニケーションギャップや勝手な思い込みが起こらないように、認識合わせを細かく行なうことの重要性を、あらためて感じた一件でした。


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