2017年10月18日水曜日

約束事なのに上下関係を盾に迫られる?



あるカフェで、少し強めの口調で仕事の電話をしている男性がいました。どうも発注元の担当者らしき人と話しているようで、依頼されていた作業をドタキャンされたようです。

「なぜわかった段階ですぐに知らせてくれないのか」と言っていますから、たぶん連絡がないままで直前まで放置されていたのでしょう。
「仕事がキャンセルなら、もっと早く言ってくれれば他の予定が組めたのに」と言っていたので、それなりに忙しい、現場で直接の作業に関わる個人か小さな法人の技術職という感じでした。

その後、「今後こういうことは、わかった段階ですぐに連絡してほしい」と言っていましたが、それを何度も何度も繰り返していたので、先方から確約の返事がなかったのでしょう。
どんどん口調が強まっていたので、先方からは言い訳なのか、屁理屈なのか、あまり納得できないことを言い続けられていたようです。もしかすると謝罪の言葉もなかったのかもしれません。

これは私の個人的な想像も入った一方的な印象ですが、この人のことを「発注元に上から押さえつけられてかわいそうだ」と思いました。約束事を破ったのは確実に向こうのはずですが、被害を被ったのはこちらだけです。そして、この「下請けのつらさ」「現場への押し付け」のような、約束事なのに上下関係を盾に迫られることは、かなり多くの話を耳にするところです。
それは、発注側と受注側という関係だけでなく、会社と社員、上司と部下、管理者と現場など、組織内でも起こっています。そして、そのしわ寄せは、ほぼ確実に下位のもの、末端の側にいくようになります。これはうれしいことでも好ましいことでもありません。

実は私自身は、ほとんどこういう目にあったことがありません。その理由は簡単で、「約束を破った実績のある人とは仕事上の付き合いをしなかったから」ということです。会社員時代はたまたまそういう人に出会わずに済んだことが幸運でしたし、独立してからはWin-Winでの付き合いができない人は排除してきたということがあります。逆に言えば、自分にできることは、「そういう人からの仕事は請けない」「そういう人とは付き合わない」ということくらいしかできないということでもあります。

そしてそのことは、「多くの仕事を請けて収益を上げる」ということには反することでもあります。仕事である限り、「選り好みをしない」「苦労があっても引き受ける」ということも必要ではありますが、私は不誠実な人には耐えられないので、あえてそうはしませんでした。その結果として、「約束事の上下関係」に巻き込まれることはありませんでした。

「約束事の上下関係」に立ち向かうには、私は毅然とした態度を貫くしかないと思っています。それで一時的には損をしたり被害を被ったりすることもあるかもしれませんが、その結果として、周りには信頼できてWin-Winを築ける人だけが残りますから、長い目で見ればより良い形につながります。
ただ、これも上下関係を盾に約束を反故にする人がいなければ、気にする必要もないことです。できるだけそういう世界に近づけばよいと思います。


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