2018年4月23日月曜日

謝り方の難しさと、謝れない人は損をするという話


何か自分に非があった時、素直に謝れれば良いですが、それがわかっていてもなかなか事実を認められずに謝れないことがあります。私も何かあれば素直に謝れるようにと意識はしていますが、実際にできているかどうかの自信はありません。家族が相手だったりすると、なかなか素直になれないことがあります。
ただ、今までの経験からは、ごちゃごちゃ言わずに謝ることが、結果的には傷が浅く済み、信頼回復が早いです。これは企業の中での人間関係や、取引先などとの対外的な関係でもすべてそうです。

このところ、財務事務次官のセクハラの話題で、いろいろな人のコメントを見ます。反応を見ていると、女性の場合は「とにかく許せない」というものが年令問わず圧倒的に多く、やれハニートラップだとか、音声の隠し録りや公表が卑劣だとか、全体を見なければ事実がわからないとか、何らかのエクスキューズを言う人はほとんど男性で、なおかつ中高年層が多いです。属性だけでの決めつけはもちろん良くありませんが、少なくとも私の周りに見えるものではそんな感じです。
ちなみに私自身の感覚は、権威を背景に調子に乗っている時点で問答無用でダメだと思うので、どちらかというと女性たちの意見に近いです。

私が印象的なのは、これだけいろいろなものが出てきていても、本人はとにかく素直には謝らないのだということです。結果的には謝罪から辞任に追い込まれた感じになっていますが、少なくとも初動の段階ではすべて否定していましたから、心当たりがあっただろうことでも、素直に謝った感じではありません。裁判などになった時のために、言質を取られたくないとの意識があるのかもしれません。

これは、企業のSNS活用を指導している人に聞いた話ですが、ネットで炎上させないために大事なのは、何か不適切な投稿などがあった時に、初めはとにかく全面的に謝罪してしまうことだと言っていました。もし異なる事実などがあれば、それが明らかになった時点で公表すればよいことで、初めに事実がわからないとか調査するとか言って謝罪を後回しにするのは、憤る人を刺激しやすく最も悪手だとのことでした。

そして、大手企業や有名企業で広報を担当している人には、高学歴な人や優秀な人がたくさんいて、そういう人は一方的に謝ること、俗にいう平謝りには慣れていないので、初めにいろいろ理屈をつけてしまい、それが火に油を注いで結果的に炎上させてしまうことが多々あるとのことでした。今回の例に何か共通するものを感じます。

謝り方と言うのは本当に難しく、方法やタイミングを間違うと、まったく逆効果になってしまうことがあります。
以前、AKB48の女性メンバーがルール違反をしたとのことで、頭を丸めて謝罪したことがありましたが、その時は周りの人の対応や、女性をそこまで追い込むルール自体に問題があるとの指摘がありました。
また、企業の不祥事で社長や役員たちが土下座をする光景がありますが、果たして本心でそうしているのかを疑問に思ってしまったりします。少なくとも私は土下座に誠意は感じません。

謝罪は「早く」「直接」することが大事だとよく言われます。私の経験でも、その方が確実に結果は良くなります。にもかかわらず、単純に自分のプライドや保身が理由で、それができない人がいます。

謝り方が難しいというのは確かですが、謝れない人が損をすることもまた確かです。これは自戒も含めてですが、相手のためだけでなく、自分のためにも「素直に謝る」ということが必要だと思います。


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