2018年5月18日金曜日

意外に効果的な“ちょっとした”身近な作業の効率アップ


ある会社で、最近転職してきたたぶん50代の男性ですが、どうも周りから「仕事が遅い」と問題視されています。決して「できない」訳ではなく、ただ一言「遅い」のだそうです。所定の結果まで到達できる訳ですから、仕事そのものは理解しているはずで、問題があるのはそのプロセスということになります。

そこで、ある同僚社員が仕事のやり方をいろいろ教えながら見ていると、とにかくパソコンの操作が遅いことがわかりました。システムの操作、キー入力、その他扱う動作の一つ一つが、すべて少しずつ遅いのだそうです。
ときどきフリーズしていることがあるので、どうしたのかと尋ねると、操作方法の確認だったりするそうです。
ノートやマニュアルを見ながら操作していることもあるので、使い方がわからないのかと聞いてみると、わかってはいるが、とにかく機械操作が苦手で確認しながらでないと進められないといいます。家でも電気製品の使い方で未だにわからないものがあって、家族任せにしていたりするようです。

最近はよく仕事の生産性や効率性アップをいいますが、実際の現場での話として、全体の大きな問題はもちろんありますが、それ以上に一人一人がやっている事務作業などの効率が大きく影響しています。効率というよりは、要領と言った方が良いかもしれません。特に昨今の現場の仕事では、OA操作スキルによって、資料作りや事務処理の効率が大きく変わります。

さすがにパソコンが全く使えない人はいなくなりましたが、それでも機械が苦手で時間がかかるという人は、今でもときどき見かけます。最近は新入社員や大学生でパソコンが苦手という人がいるようですが、ほとんどの用事がスマートフォンで済んでしまうようになり、特にキーボードを扱うことに慣れていないという面があるようです。

ここで前述の会社の話ですが、この50代男性社員にはブラインドタッチの練習をしてもらうことにしました。今さらな感じがしますが、これには理由があります。
機械が苦手というのはなかなか簡単には直せませんが、キー操作であれば、そのこととはあまり関係がなく、数をこなせば慣れて習熟していきます。すべてのプロセスをスピードアップするのは難しくても、一部の改善余地がありそうなところで効率化しようと考えたのです。

その結果は意外に良好で、本人も少し自信をつけてきたようです。今までは苦手意識から、パソコンにふれる機会をできるだけ少なく済まそうとしていたところがあったそうで、やはり扱うことに慣れていませんでした。
ブラインドタッチはゲームのような練習ツールなどが結構あり、進歩の度合いもわかるので結構楽しんで取り組めたそうです。もともと苦手意識があったので、ブラインドタッチの練習を「こんな初歩的なこと」などと後ろ向きに思う気持ちがなかったことも良い方向に作用しました。
この人の仕事の効率は徐々に改善され、パソコンへの苦手意識も以前よりは減ってきているとのことでした。

こういう身近な事務処理スキルや操作スキルを見直すことで、現場の作業効率は意外にあがります。ショートカットキーの使い方を講習したとか、漢字の読みを勉強して顧客の名前や住所の入力が早くなったとか、たったそれだけのことでも生産性は上がり、業務効率化は図れます。

生産性向上や作業の効率化は、あまり大上段に構えず、そんな身近なことから進めるのも一つの方法ではないでしょうか。


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