2014年6月13日金曜日

スタートアップの社長はちょっと意味が違うCEO


先日参加したあるフォーラムで、最近IPOを果たしたばかりの若手社長の言葉がとても印象に残りました。

パネルディスカッション形式で、IPOをして間もない経営者6人が、自社の事業紹介や今後の構想、IPOに至るまでの経緯や資本政策などを語り、話の内容は多岐に渡っていました。

その中で31歳と最も若手の社長さんがおっしゃっていたのは、「特にスタートアップの段階では、経営者はとにかく何でもやらなければならない。仕事がなければ営業して自分がドンと取って来なければならないし、人がいなければ採用なり何なりで自分が連れて来なければならない。経理も知らなければならないし総務のような事務もやらなければならない」という話で、「経営者はCEOだが、チーフ・エグゼクティブ・オフィサーではなく、何でもやらければならないチーフ・エブリシング・オフィサーだ」とおっしゃっていました。

うまい表現をするなぁと感心しながら思ったのは、特に私のように組織作りや人事ということに関わっていると、何でも組織の中で分業、分担することばかりを考えがちになります。
でも、組織のそもそもの原点は、みんなが寄ってたかっていろいろなことをやりながら、それぞれの人がお互いの様子を見て、手が届いていなかったりすきまが空いてしまっていることを埋めていくような動き方だと思います。

大まかな担当めいたものはあったとしても、やらなければならないことができていなければ、手の空いた誰かがそれを担っているはずで、そこには営業も経理も総務も人事もなく、特に全体を見なければならない経営者ほど、「エブリシング(何でも)」が求められるでしょう。

企業規模に応じた組織形態があることは、今までも十分に理解してきたつもりですが、組織の原点においては、経営者が「チーフ・エブリシング・オフィサー」でなければならないということを、あらためて意識しておく必要があると思いました。

組織が未成熟であることよりも、逆に組織がしっかり作られているがゆえに、それを盾にして「これは私の仕事ではない」などと言ってしまう人たちを、最近よく見かけるようになった気がします。
実はこちらの方が、よっぽど問題が大きいのかもしれません。


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