2015年7月31日金曜日

社長や政治家やリーダーに「内向型人間」が大勢いるという話と、「外向型人間が良い」という思い込み


「内向型人間」について書かれた、あるウェブ記事が目に留まりました。
2013年にアメリカで発売されてミリオンセラーになった書籍(「内向型人間の時代」:講談社 スーザン・ケイン著)を紹介している内容で、社長や政治家やリーダーに、実は内向型人間が大勢いるという話でした。

この書籍からウェブ記事に引用されたところによると、科学者のアインシュタイン、音楽家のショパン、小説家のプルースト、映画監督のスピルバーグなど、内向型が多そうな学者や芸術家とともに、ビジネスや政治の世界でも内向型リーダーは数多く存在し、マイクロソフトの共同創業者ビル・ゲイツ、グーグルのラリー・ページ、政治家アル・ゴア、インド独立の父・ガンジーなどを例として挙げています。

ある発達心理学者の実験によると、生後4カ月の乳児に様々な刺激を与え、その反応を観察したところ、全体の2割は元気よく泣いて手足をばたつかせ、4割は静かに落ち着き、残り4割は中間の反応を示したそうです。
その乳児たちが成長してから再び観察したところ、物静かな内向型になるのは、手足を元気よく動かした「高反応」グループであり、落ち着いていた「低反応」グループは外向型になっていたということでした。ここには環境的な要因も複雑に関係しているだろうということです。

外向型は社交的で、内向型は人間嫌いだという説があるが、乳児は人間に対して反応しているのではなく、高反応な乳児は、単に“刺激に敏感なのだ”という結論が導かれていました。

同書では思慮深くて理性的、真面目で謙虚、孤独を求める「熟考の人」を内向型、意気軒高で明るく、社交的で目立ちたがり屋の「行動の人」を外向型と定義しています。

内向型は外向型に比べて、物事を注意深く考え、行動する前に熟慮し、難しくとも簡単にはあきらめず、より正確に作業を行うという特質を持っていて、知的作業を行う面で外向型よりも優るということです。
また、内向型は金銭などではなく、仕事そのものを愛する傾向が強く、物事に完全に没頭している「フロー」という状態になりやすいのだそうです。

私自身、自己評価をすれば、どちらかと言えばたぶん「外向型」で、自分でそれが良いことと思っていました。「内向型」の人を見ていると、何となく歯がゆい感じがしたり、理解できないところがありました。ただ、定義を見ていると、自分にも「内向型」の要素はありますし、一概に二者択一で切り分けられない部分があるようにも思います。

また何よりも、世の中の人全般が、「外向型が良い」という思い込みを持っている感じがします。これは、自分自身が「内向型」の人であっても同じです。しかし、実は「内向型」の方が優れているような特性がたくさんあります。

最近、人材の多様性を認めようという動きが高まっており、「内向型人材を評価しよう」という考え方は、そんな流れと共通する部分も感じますが、あらためて様々な人それぞれの個性を認め、それを活かしていくことの重要性を感じました。

少なくとも、今までのような「外向型人間が良い」という思い込みは、これからどんどん変わっていくような気がします。


0 件のコメント:

コメントを投稿