2012年10月19日金曜日

「指示待ち」は企業文化かもしれない


組織の中で上司から指示されたことは、基本的にはやらなければなりません。では指示されていないことをどうすればよいのか、これは考え出すと案外難しいことです。

指示されるであろうと予測してやったなら、褒められることなのかもしれません。「自発的に行動できる」「指示待ちでない」「積極性がある」などと評価されるでしょう。

でも、上司がやって欲しくないと考え、あえて意図的に指示しなかったのだとしたら、命令違反の余計な行動になってしまい、「上司の指示に従わない」「組織的動きを乱す」「自分勝手な行動をする」とされてしまうでしょう。とても大きな違いです。

このあたりは、組織風土や文化にかなり影響される部分です。組織や仕組みが固まっていないベンチャー企業などは概ね前者の捉え方をし、官僚的な大組織、大企業だと後者の捉え方をすることが多いようです。

もちろん部門、職種、対象となる事象などによっても違い、その時のシチュエーションによっても変わってくるので、これも一概には言えません。ただ風土、文化なので、社員の価値観、感じ方の部分になります。過去からの積み重ねによって作り上げられてきたものだということです。

そう考えると、例えば「うちの社員は指示待ちばかりで困る」などと言っても、今まで脈々とそういう文化を作り上げてきたということも言えます。
上司に部下管理を強く要求し、強いリーダーシップ、マネジメントで仕事を進めることを志向してきたとすれば、部下は上司の指示通りに的確に仕事をすることを求められますから、指示待ちスタイルになるのは当然といえます。

それまで社員個々の自主性に任せて野放しだった組織に、いきなり仕組みやルールを導入してもなかなか機能しないという状況も、「そんな形式的なことを良しとする文化が無い」ということですから、また逆の意味で同じようなことでしょう。

会社として望ましい人物像の社員が育ってこない原因は、社員個々の問題にされがちですが、会社の組織風土や文化の問題もあるということを意識する必要があると思います。
会社として望ましい人物像は、組織風土や文化の中で作り上げていくものだということです。

もしも思うような社員が育ってこないと感じているならば、組織風土と文化の面からも原因を考えてみてはいかがかと思います。


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