会社を辞めていく人に理由を聞くと、「この仕事に向いていないと思うんです」と言われることがあります。それに対して、私は「じゃあ何に向いているの?」と聞きますが、その場ではっきり答えられる人はとても少ないです。
仕事が思い通りに進まなかったり、やりがいや喜びを感じられなかったり、その他うまくいかないことを、「この仕事は向いていないから」と自分に言い聞かせている所があるように思います。
採用試験の中で適性テストを行う会社も多いと思います。それなりに納得できる結果は出てきますし、その後を追跡していっても、確かにテスト結果で指摘された傾向は出てくるように感じます。
その一方、適性テストでは図りきれない部分はたくさんあります。テスト結果と実際の成果が特に大きく異なるのは、グループやチームでの仕事であることが多いと感じます。
やはりそれぞれのメンバーがお互いに刺激や影響を受け、補完し合いながら仕事をするでしょうし、その中で自分だけでは思いもしなかった発想や価値観に遭遇することもあるでしょう。
個人として向いていなくてもチームとして成功すれば、自分なりに喜びを感じるでしょうし、そんな体験を積み重ねれば、成功に到達する方法論も身につくはずです。そもそもそういう環境ならば、「向いていない」などとは考えないでしょう。
仕事の適性に、最低限の知識や実務能力は確かにありますが、経験を積むことによる後天的なもの、周囲の環境に左右されるもの、そして何より自分の思い込みによる主観的なものが、総合してあると思います。
もし「この仕事には向いていない」と思った時、それが自分の能力の問題なのか、思い込みではないのか、補完し合う事で改善の見込みは無いのかなど、もう一度考えて見ることが必要ではないかと思います。
「向いている」と思い込んで続けていくことで、ひらけてくる道もあるのではないでしょうか。
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