2013年7月24日水曜日

“小さな事”を徹底する‏と“大きな事”が変わるかもしれない


あるコラム記事で、現場力を組織の力に高めるという視点で、ニューヨークの治安改善に関する取り組みの話が書いてありました。

そもそもは地下鉄の凶悪犯罪の抑制が発端のようですが、「ブロークンウィンドウ(割れ窓)理論」といって「建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓もまもなく全て壊される」という理論に基づき、第一弾として地下鉄の治安悪化の象徴である“落書き”を徹底的に消す活動、第二弾として落書き行為、車内喫煙、無賃乗車といった軽犯罪だけを徹底して取り締まる活動を行ったところ、犯罪率は徐々に減少し、劇的に治安が改善していきました。

その成果を見た市長が、今度はこの方法を市警察にも取り入れ、落書き消しや歩行者の信号無視、ゴミの投げ捨てなど、軽犯罪の取り締まりを徹底的に続けた結果、犯罪発生件数が急激に減少したということです。

札幌のすすき野地区でも、“落書き”“違法駐車”に置き換えて、徹底的に取り締まる活動を行ったところ、2年間で犯罪を15%減少させることができたということです。

はじめは「そんなことはやっても無駄」「凶悪事件を減らすことが先決」などの否定的な意見も多かったようですが、小さなことから徹底してやると、それが大きな課題の解決に波及していくことがあるという例です。

組織においても、課題は認識していてそれに向けた対策も考えてはいるものの、検討に時間ばかりかかっていたり、「難しい」といったりして、結局何もせずに先送りしてしまっていることは意外に多いものです。
ただ、根本的な解決にはつながらないと思えることでも、枝葉の小さなことであったとしても、まずはそれを徹底することが、大きくて困難な課題の解決にまでつながることがあるという一例です。

「拙速であっても、目に見えている課題からとりあえず手をつけてみる」ということも、必要ではないかと思います。


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