2013年7月30日火曜日

「ゆとり世代」をひとくくりにする失礼


企業の人材育成に関わっていると、「ゆとり世代は・・・」という話題が出ることがあります。

肯定的な話はほぼ一切なく、「受け身で言われたことしかやらない」「打たれ弱い」「失敗を恐れてチャレンジしない」「競争心がない」など、「だからゆとり世代はダメなんだ!」というようなダメ出しの指摘が大半です。

でもこれって、その世代に人たちに対して、ものすごく失礼で差別的な指摘だと思います。そもそもゆとり教育を受けてきた人たちは、自分で選択してその教育を受けてきた訳ではありません。大きな枠組みで決められたことに従ってきただけで、自分たちに選択の余地があった訳でもなく、与えられた環境の中で自分たちなりに頑張ってきただけです。それを今さらダメだしされたって、本人たちには全く責任はありません。

確かに一般的に指摘されるような特徴はあるにはあるし、私自身の経験でも「何考えてんだ??」と思うようなこともありました。でも短所を裏返せば長所になります。

「言われたことしかやらない」けど「言われたことはしっかり一生懸命やる」
「チャレンジしない」けど「堅実である」
「競争心がない」けど「協調性がある」
など。
言われればやるんだからちゃんと指示すれば良いし、失敗を恐れるなら恐れなくても大丈夫な環境を作ってやれば良いし。競争ばかり煽らずに協調を促せば良いのではないかと思います。

言われる内容こそ違いますが、どんな世代であっても何かしら同じように批判的なことを言われてきているはずです。それを棚に上げて「ゆとり世代は・・・」なんて言っているのは、対処する側の能力のなさを白状しているようなものだと私は思います。
世代をひとくくりにして批判する言動の裏には、指導する側の怠慢もずいぶんあるのではないかと思います。


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