2014年9月19日金曜日

不満分子は転職してもやっぱり不満分子


会社への不満というのは、社員であれば誰でも何かしらは持っているものだと思います。ただ、これも度が過ぎてくると、「不満分子」という表現になってしまいます。

「不満分子」の定義をはっきり言うのは難しいですが、「一方的な自分の都合ばかりを攻撃的に主張する」などということになるのではないでしょうか。

これはある会社であったことですが、請け負っていたプロジェクトに協力会社から参画していた人から、今の会社を辞めたいがプロジェクトの仕事は続けたいので、その会社に移籍させてほしいという打診があったそうです。
話を聞くと、現職の協力会社では社員に対する扱いが悪く、いろいろ待遇面の不満があるそうで、改善提案をしてきたが聞く耳を持ってもらえず、ことごとく受け入れられないのだそうです。

ずっと退職したいと考えていたが、今辞めるとプロジェクトにも迷惑がかかるし、仕事は面白いので何とか最後まで完遂したい、そのために自分を社員として雇ってくれないかという話でした。

プロジェクトの事情を考えると、人員の入れ替えは確かに面倒ですし、その人の働きぶりもピカイチではありませんが、それなりに仕事はこなしています。そんな訳で自社に受け入れることを決め、協力会社には義理を通すべく、この一連の話をしたそうです。

先方の協力会社の反応はやけにあっさりしていて、問題なく移籍する運びとなりますが、その際に「そちらは本当に大丈夫ですか?」などと聞かれたり、本人と具体的な入社準備を始めてからも何かと要望や条件が多かったりするので、対応しながらも何となく気になっていたそうです。

そして実際に入社した後の様子がどうかといえば、「会社や上司からの指示に反論が多く、結局やろうとしない」「一方的な要求要望が多く、すぐに会社がおかしいと攻撃する」というようなことが続いたそうです。体調不良を理由にした休みや早退が頻繁で、さすがにこれは他の社員からも総スカンを食らい、結局半年ほどで辞めてしまったそうです。

実は本人が言っていた前職での改善提案は、自己中心的に苦情を言っていただけで、待遇の不満は本人の評価が悪かっただけのことでした。先方の協力会社のあっさりした反応は、「不満分子」の厄介払いができるという安堵だったということは、後々になってわかったことでした。

このケースのように、どこへ行っても結局同じような行動を繰り返す「不満分子」というのは、実際に私が聞いている中でも非常に多いです。人間の本質というのはなかなか変わるものではなく、基本的な行動パターンも簡単には変わらないということです。

これを防ぐ手だての第一は、こういう人を入社させない事ですが、本人の話を善意に解釈してしまったりすると、なかなか排除しきれない部分があります。そもそも数回の面接やテストをした程度で、その人のすべてを知ることなどは不可能です。

しかし、気をつけてみていると、この「不満分子」の要素をすでに持っているような人は、その片鱗が行動の中のどこかに必ず出て来ます。さらにこの例の場合では、先方の協力会社にもう少し話を聞く、初めは契約社員のような形で仕事ぶりを見極めるなどということもできたはずです。

人を採用するということでは、やはりできる限りの観察と情報収集、そして気になることがあれば慎重な対応が必要だと、あらためて思います。


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