2015年6月3日水曜日

目につくことが増えた気がする「“権威”を振りかざす人」


ある飲食店でのお昼時のこと、60代くらいの初老の男性が、「生ビール!」との注文です。アルバイトと思われる店員さんが「大きさはどうされますか?」と尋ねると、この人は「普通の!」と言います。

「グラスですか?ジョッキですか?」「だから普通の!」という変なやり取りがあった後、このお店にはランチビールのメニューがあるらしく、お店の人はそれを出したところ、「普通と言ったら中ジョッキに決まってるだろ!」とのクレームです。
その後も、何かを注文しては、ああでもないこうでもないとクレームをつけています。本人は「教えてやっている」という態度のようで、店長とアルバイトの子がかわるがわる対応しています。

こういう人にはついつい口出ししたくなるタイプの私なので、火に油とならないようにぐっと我慢して聞いていましたが、結局はただ文句を言って絡みたかっただけとしか思えませんでした。店員さんが反論しないことを見越したような態度に、腹立たしさを感じました。

最近は、ツイッターなどで発覚する土下座の強要騒ぎなどをはじめとして、“権威”を濫用しているような光景を目にすることが増えた感じがします。
目につくのは、店員と顧客のような関係の中で、顧客の側が一方的な主張をする場面ですが、これほど露骨でなくても、ビジネスの場面でも同じような“権威”の嫌な使い方を感じることがあります。

ある知人の会社でのことですが、堅い業種の某大手有名企業から、すでに合意したはずの契約条件について、契約直前に一方的な変更依頼をしてきたことがありました。「下請けいじめ」「下請けたたき」と言われても仕方がないレベルです。

もっと日常的なことでは、部下の意志を無視した一方的な指示命令、退職の強要やパワハラのような問題も、“権威”を振りかざすという意味では同じようなことです。

“権威”を振りかざす人から感じることが三つあります。
お互いの上下関係に敏感であるということ、支配欲が強いということ、そして、本当の意味で自分に自信を持っていないということです。

自分よりも下と見れば強い態度を取り、自分よりも上には、媚びたり取り入ろうとしたりします。面従腹背で影口を言ったりはしますが、直接意見を述べようとはしません。

人望が不足していて、自分の考えに理解を得る自信がないので、言うことを聞かせるために“権威”に頼ります。「社長が・・・」「会社が・・・」など、他人の権威を使って説き伏せようとするのは典型でしょう。

“権威”を振りかざすことには、様々な理由があると思います。中にはやむを得ない事情もあるでしょう。それは理解した上でも、仕事をする相手として、そういう人を私は絶対に信用しません。“権威”を振りかざす人は、自分の立場を相対で捉えるので、言動や態度が相手によって変わってしまうからです。

“権威”を振りかざす人は、Win-Winに鈍感な人」とも言えます。自分中心の相対で物事を判断するので、お互いが良くなるための“Win-Win”への道筋が考えられません。

Win-Win”にならない関係でのビジネスは、絶対に成功しないと思います。


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