2015年6月24日水曜日

イヤなら行かなければいいだけの「学歴フィルター」の会社


少し前になりますが、ゆうちょ銀行が「学歴フィルター」をしているという話題がありました。
「東京大学」で登録しているとセミナー予約ができるが、他の大学だと満席表示になるとのことです。

意見がいろいろなところに出ていて、「けしからん」「当然だ」「やむを得ない」「気にしない」「どうでもいい」など、その中身は様々です。
能力と学歴にはある程度つながりがあると見られていて、多すぎる応募者の絞り込みには必要だという会社側の都合など、表や裏の事情についても、すでにいろいろなところに書かれているので、ここでは特に言及しません。

私が単純に思うのは、そうやって区別されることがイヤなら、そんな会社に行かないか、その学歴要件を満たすかのどちらかしかありません。学校に入り直すような時間はないはずなので、ほぼ前者の選択しかないでしょう。

「学歴フィルター」というのは、今に始まったことではなく、ずいぶんと昔から行われていることです。就活がネットで行われるようになるずっと前からで、希望者に送る会社資料を学校別に時間差を作って送付したり、電話連絡の優先度を学校によって細かく分けたり、アナログの手作業が多かったせいもあり、ネットを使う今よりも、よほど細かく、緻密に、露骨に区別していたと思います。

今はネットのおかげで、学生が持つ情報量も飛躍的に増え、差別的な扱いや不公平に見られることは、すぐに口コミで広がってしまいます。「学歴フィルター」をおおっぴらにはやりにくくなっているのだと思いますが、少なくとも就活サイトの機能として、学校ごとに対応を区別するものがある訳ですから、そういうことをしたいという要請があるということでしょうし、それを使う企業があっても当然だと思います。

私がいろいろな会社の採用活動をお手伝いするとき、その会社に対して、「採用活動は広報活動の一環でもあることを理解しておいてほしい」というお願いをします。
礼を失したような対応や差別的な対応は、どこかで表沙汰になって口コミなどで広がる可能性があります。ばれなければいいと思ってやっていることほど、どこかでばれてしまい、それは企業イメージそのものも悪化させてしまいます。

ゆうちょ銀行のような大企業にとっては、あまり関係がないかもしれませんが、中小企業でそのような噂が立ってしまうとこれは致命的で、払しょくするには相当の時間がかかります。その影響は採用活動だけでなく、会社イメージそのものにも及びます。

そんなリスクも含んだ上での「学歴フィルター」なら、やりたい会社はやればよいし、そんな姿勢の会社が許せないなら、あえて行かなければいいだけの話です。

「学歴フィルター」などというものは、学歴が強みの人はそれを利用し、そうでない人はそれ以外の強みで勝負すれば、もうそれで良いのではないでしょうか。

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