2018年8月3日金曜日

「運の良さ」に共通していると思うこと


最近こんな話がありました。
ある社長同士が意気投合して、大きなプロジェクトを起こす話が進んでいます。もちろんお互いのことは良く知っていますが、実はまだ名刺交換をしたことがないそうです。

片方の社長に話を聞くと、そもそも知り合ったのは仕事とは直接関係がない会合で、共通の友人がいることや相手の存在は知っていたものの、特に会話することはなかったそうです。
その後、何度か場を共にする機会はあり、そこでは話もしたそうですが、何となく相手の素性がわかった気がする程度の当たり障りのない会話でした。

ある日、このお相手社長と共通の友人に飲み会でたまたま会う機会があり、その頃に自分が考えていた事業構想の話をたまたま話したそうです。
この共通の友人は、これもたまたま偶然で、その直後にこのお相手社長と会い、そこでたまたまその事業構想の話を思い出し、何か関係があるかもという軽い気持ちで話を振ったのだそうです。
するとその話がたまたまお相手社長の考えていたこととつながったようで、興味を持ってくれたそうです。

これをきっかけに急激に話が進み始め、結果としては大きなビジネスの話になりつつあります。私に話してくれた社長は「こんな偶然の積み重ねがあるんだね」と言っていました。

どちらかが会合に行かなければ出会っていませんし、共通の友人と会うタイミングがずれていたり、そこで自分の考えを話していたりしなければ、さらにその話を共通の友人が相手社長に話していなければ、その先に進むことはありませんでした。

あまりに多くの偶然が積み重なっていることと、そもそもビジネスとはずいぶん遠いところから始まっていることを聞いて、私もこんなことがあるのだという不思議な感じがしています。

このように、何か一つ食い違っていたらまったく何もなかったはずなのに、偶然の積み重なりで何かが起こる体験は、誰でも一つや二つはあると思います。
私もたまたま行った場所、たまたまの出会いから、それが大きな仕事につながったり、実は大切な友人であったりということは、本当にたくさんあります。特に自分にとって幸運は、いつどこから降ってくるのか本当にわかりません。

ただ、これがただ単純に運が良いだけなのかというと、私はそうではないと思っています。運が良い人は、自分で運をつかんでいるとも思うからです。
例えば、幸運というのはだいたい他の誰かが運んできてくれるもので、そう考えると知り合いが多いほど運が良くなります。「運ぶ」の音読みが「運(うん)」なのは、そういう意味もあるでしょう。
また、自分の思いを常に他の人に伝えておくことも大事です。「そういえばあの人・・・」と思い出してもらえることが多ければ、幸運につながるチャンスが増えます。

自分の素性を知ってくれている知り合いが多ければ多いほど、運は良くなるということになりますが、そのためには「いつでもどんな相手にも、最低限の敬意と誠意をもって接すること」が大事になります。
「旅の恥はかき捨て」のような考えは最悪で、常に「立つ鳥跡を濁さず」でなければ、運を持ってきてくれる人とつながることはできません。

偶然の積み重ねからの幸運の話を聞いて、人づきあいの大切さとそのための心構えを、あらためて思い直しているところです。


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