2020年4月13日月曜日

テレワークで仕事がなくなる管理職がいるという話


パーソル総合研究所が、3月上旬に、全国の正社員2万人に向けておこなった「新型コロナウイルスによるテレワークへの影響についての緊急調査」によると、調査時点での正社員におけるテレワーク実施率は13.2%で、そのうちテレワークを初めて実施した人は半数近い47.8%とのことでした。
約360万人の正社員がテレワークを実施しており、そのうち約170万人が初めてという結果になります。

テレワークの命令と推奨の合計は22.1%で、その一方、会社から特に指示がない人は71.5%に及び、多くの人が通常通り出勤していることが推測されています。
「テレワークを希望しているができていない」という人が33.7%とのことで、従業員の希望と実際の状況にはギャップがあるようです。

テレワークをおこなっていない理由として、「制度が整備されていない」が41.1%、「テレワークを行える業務ではない」が39.5%、「ICT環境が整備されていない」が17.5%と、急だったこともあって、企業側で社内制度やICT環境の整備に対応しきれていないようです。

今後、技術が普及してくれば、テレワークで作業できる領域は増えてくるでしょうが、現段階では人手頼みの状況が多いことがわかります。
ただ、今回の危機に対応するには、もう少しがんばって実施率を高める必要があるでしょう。
テレワーク実施のネックとなっているのは、中高年以上の経営者や社員のITリテラシーという指摘もあり、このリテラシーをどう高めるかは大きな課題でしょう。

テレワークの導入によって、これから様々な仕事の可視化が進んでいくといわれています。
業務分析や業務フローの見直しがされて、どの仕事がテレワーク化できるかが判断され、不要なものは除外されていきます。ペーパーレス化も大きく進むでしょう。
評価のしかたも、時間や作業量ベースから、成果や結果が重視されるように変わるでしょう。
社内コミュニケーションも、ウェブ会議などネットを活用したものが増え、効率性が求められるようになるでしょう。

そういう中で、実は仕事が減る、なくなる可能性があるのは、中高年社員や管理職の仕事だという話があります。
形式的に書類に印鑑を押すだけのような仕事はなくなり、定例で何となく行われていた会議や、「顔合わせ」「一体感」「目的のないコミュニケーション」など、集まることだけが主眼のようなミーティングなどは無駄な仕事とされます。
上司のフォローや社内ネゴシエーションなども、内容によっては不要とされるでしょうし、誰に会っているのか、何を話したかがわからないような対外活動や営業活動も、中身を問われるようになります。さらに、ITリテラシーを高めないと、そもそも仕事ができなくなります。「働かないおじさん」は、存在し続けるのも難しくなるでしょう。
本来の意味での人のマネジメントは、重要な業務として残るでしょうが、その遂行能力と結果は、今までよりも明らかになるでしょう。

これは、仕事環境が厳しくなるというよりは、今まできちんと仕事をしてきた人たちの仕事ぶりが、きちんと日の目を見るようになることだと思います。集団に紛れてやり過ごしていたり、都合が良い上司の陰に隠れていたり、他人の笠を着て威張っていたりすることは難しくなります。

今は最高に苦しい時期ですが、世の中が止まっている今だからこそ、組織改革を進めようという会社もあります。コロナ後の働き方は、必ず大きく変わります。


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