2020年4月2日木曜日

見た目と中身の違いを知ってくれている人の存在


先日、家の近所を歩いているときにこんなことがありました。
お散歩中の犬同士がすれ違いざま、片方の犬がすごいうなり声をあげて、飛び掛からんばかりにしています。
するとその飼い主が、相手の飼い主に声をかけています。
A:「以前お会いしたことがありましたか?」
B:「さぁ、ちょっと記憶が・・・」
A:「実はこれ、この子の喜びの表現なんです」「前に会って気に入って、また会えた感じかなと・・・」

確かにうなり声をあげながら少しずつ近寄って、急に嬉しそうにじゃれついています。
飼い主は、「こんな感じだから、いつも威嚇していると勘違いされちゃうんですけど・・・」と言っていますが、外見だけを見ていたらそう思うのは無理もなく、この飼い主が犬の見た目の様子と内心の違いを理解していて、それを説明してくれたから初めてわかることです。

こういうことは、仕事でもプライベートでも、意外によく出会うことではないでしょうか。
例えば「見た目は怖いけど、実は優しい」「落ち着いて見えるけど、実はあがり症」「要領がよさそうで、実はどんくさい」、その他いろいろあるでしょうが、本人の自覚はともかく、周りの人がそのことを知っていてくれると、いろいろな場面で良いことがあります。

ある会社に、複数の指示をされると前に言われたことが、必ず何か抜け落ちてしまう新入社員がいました。研修の時から「指示通りに動けない」「注意力が足りない」と低い評価を下され、お荷物扱いをされていました。「きちんと覚えろ」とか「メモを取れ」とか言われ、本人はそれを一生懸命守りますが、問題は改善されません。

そんな中で、ある先輩社員が、「複数のことを一度に言われて混乱してしまうのでは」と思い、一つ一つの仕事が完結するように配慮して指示するようにしたところ、きちんと仕事がこなせるようになったのです。
並行してやるのは苦手ですが、一つ一つの仕事は決して遅くなく、順番に指示してあげれば人並み以上の量もこなせます。もしも周りが「注意力が足りないダメな社員」とレッテルを貼ってしまっていたら、十分に仕事がこなせるこの人の能力は、発揮されないままで終わっていたかもしれません。

自分の特性を周りの人に理解してもらうのは、とても大事なことです。また周りの人も、その人の特性を理解してあげる姿勢が必要です。
見た目と中身のギャップは、人間である限りいろいろなところに存在します。そんな違いを知ってくれている人が周りにいれば、いろいろな場面で助けになります。

自分の「見た目と中身の違いを知ってくれている人」は、家族、親友、上司、同僚、先生、師匠など、いろいろな形で存在します。そんな人たちに自分のことをよく知ってもらうとともに、自分も誰かにとってのそういう存在でいようとする気持ちも大事です。
やはり、お互いがよく知り合って、協力し合ってこその人間同士なのだと思います。

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