2022年8月15日月曜日

「報連相」をされる側の態度

 報告、連絡、相談の頭の文字を並べた「報連相」は、昔から大事だと言われています。

「報告」は上司からの指示に対して、その経過や結果を知らせることで、組織上の「義務」ともいえます。

「連絡」は誰もが発信側にも受信側にもなり、自分の主観や憶測を含まない情報を関係者に知らせることで、組織を円滑に運営する「気配り」といえます。

「相談」は自分が判断に迷うときに周りから参考意見やアドバイスをもらうことで、自身の「能力向上」につながります。

新人研修では、それに関するカリキュラムが設定されているなど、社会人の基礎的スキルとして位置づけられていて、私自身もそんな講座を受け持ったことがあります。

 

しかし、それほど重要だと言われながら、なかなかうまくできないという話をよく耳にします。その原因として多く指摘されるのは、主に部下の側の「意識が低い」という理由です。

「報告」「連絡」「相談」をすべきことなのに、それがない、足りない、遅い、不正確といったものです。確かにそういう場面を見かけることはあります。

 

その一方、「報連相」をされる側の上司にも、問題の一端があると感じるケースが多々あります。

最近少し話題になったものですが、私の目に留まったツイッターでのつぶやきに、こんなものがありました。

「上司よ、報連相が大事なのはわかったから、頼むから報連相しやすいような機嫌でいてくれ」

 

「報連相」をする側の部下が、ついこんなことを言いたくなってしまうような場面も、また実際に目にすることがあります。

その日の上司のご機嫌をうかがいながら、自分の話を聞いてくれそうか、受け入れてもらえそうか、怒られずに済みそうかというタイミングをはかっています。実際にそうなのかは確認していませんが、「あの部長は午前中は機嫌が悪い」とか、「会議の前はピリピリしているから、込み入った話はやめた方が良い」とか、そんな話が出回っています。

社長でも部長でも、ご機嫌の落差が激しい人はいて、部下はその様子を常にうかがいながら「報連相」のタイミングを考えています。きっとその時の気分としか説明できないような反応をされることが、実際にも度々あるのでしょう。

 

そもそも中高年男性は、普通の顔をしていても不機嫌そうに見えるなどと言われるので、本人が意図していないのに敬遠されているようなこともあるかもしれません。話しかけるだけでも心理的ハードルがあると思わせるような人に対して、仕事上の話でさらに良くない話をするということは、なかなか難しいことには間違いありません。

 

部下が「報連相」のタイミングをはかっていることでの問題は、やはり情報取得や共有がどんどん遅れてしまうことです。

「悪い情報ほど早く報告するべし」などと言われ、みんなそのことは理解していますが、良くない話はできれば避けたいと思うのが人間の心理であり、それが厳しい人、怒る人、不機嫌な人が相手となれば、なおさらそうなります。

人脈や情報を豊富に持っている人ほど、概していつでも機嫌がよく、感情の起伏が少なく、誰からも話しかけやすい雰囲気を持っているものです。

 

うまくいかない「報連相」には、それをされる側にも問題があることがほとんどです。せめて自分の機嫌は自分で直して、部下が「報連相」をしやすい態度をするのも大切なことではないでしょうか。

 

 

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