2012年9月14日金曜日

「その人ありき」の組織

中小企業の場合、マネジメントが任せられる人材を豊富に抱えていることは少なく、結果として「その人ありき」の組織構成になっていることが多々あります。要するに「部長クラスが5人いるから部門も5つ」というようなことで、組織構成が事業構想や機能に基づくものではないということです。

ただ、中小企業で事業構想や機能を優先して組織を作ったとしても、単に職制の兼務が増えたり、能力不足の人に無理やり管理者を担わせたりということになりがちで、結果的に組織が機能不全に陥ってしまいます。これはこれで好ましいことではありません。

結局どのようにバランスを取っていくかということになるのですが、多くの中小企業では、どうしても「その人ありき」に偏り過ぎる傾向があります。

この「その人ありき」は、言い換えると「現状ありき」ということで、「人がいないからできない」と言っていることと同じです。「その人ありき」に偏ると「今は無理」、「今は出来ない」という話ばかりになってしまい、会社の事業的な発展と、人材の成長や進歩を妨げることになってしまいます。

やはり組織を構想する順序としては、まず事業構想に基づいた機能と構成を考え、その部門にそれぞれどんな人をあてるか考え、あてられる人に不足があるなら補完や補佐できる人がいるかを考え、それも無理なら、初めて「その人ありき」で組織構成を考え直していく、ということだろうと思います。

もし、今まで「○○さんに何をやってもらうか」から組織を考えていたならば、一度事業や機能から組織を考え始めてみると、今までとは少し違ったものが見えてくるのではないかと思います。

中小企業が属人性に左右されるのは、ある程度やむを得ないことではありますが、「その人ありき」をいつまでも続けていては、いつか会社の成長は止まってしまいます。

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