2012年9月16日日曜日

「ニンジン文化」のニンジン

数年前ですが、年末年始に住居がない失業者を支援する「年越し派遣村」という活動がありました。
その支援の中で「就職活動費」の名目でお金を支給していたそうですが、支給された後に、所在不明になって戻って来なかった者や、酒、タバコ、パチンコ代などに使ってしまっている者が多数いる、との報道を見たことがあります。

支援の是非はともかく、そもそも就職活動というのは、個人の“意欲”“やる気”に基づいた活動であり、“意欲”“やる気”という個人差が大きいものを、金銭支給という一律の方法や内容で支援するのは非常に難しいことだという印象を、その当時は受けました。

企業においても、社員の「意欲」を高める様々な施策を考えて実施していると思います。社員の貢献を認め、報奨を与えることで意欲ややる気を生みだしていくような「ニンジン文化」が重要と言われますが、現場を見ている中で時々気になるのが、“ニンジン=金銭的報酬”ばかりで捉えている会社です。

確かに昇給、報奨金、インセンティブなどは、動機付けの要素ではありますが、金銭的な報酬の場合、その効果は短期的といわれます。報酬を与え続けなければ満足せず、徐々に満足の度合いも下がっていき、逆に報酬が少ないと不満を持つようになってきます。

そもそも動機付けの要素というのは、金銭だけでなく、他人からの感謝だったり、社会貢献だったり、名誉だったり、自己満足だったりと、時と場合によっても、また人によってもいろいろです。

ですから会社の施策としては、社員の様々な価値観を考え、それを様々な形で刺激することが必要ということで、日常業務の中でのちょっとした褒め言葉やちょっとした賞賛も十分に「ニンジン」になり得るということです。
少し幅広い視野で「ニンジン」を探してみると良いと思います。

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