2012年9月23日日曜日

誤解によるモチベーション低下

サラリーマンなら会社不満の一つや二つは必ずあるはずです。ただその不満の原因が、実は誤解に基づくものだった、などという事が意外に多くあります。
もちろん、すべてがすべて誤解だったという事は少ないかもしれませんが、話に尾ひれがついていたり、勝手な想像だったりということは、結構あるものです。

私が社員ヒアリングなどを通じて聞いたことがある話をいくつか紹介すると、ある会社で給与に不満を持っている社員さんがいらっしゃり、その方がおっしゃるには、「銀行へ用事で行くと、いつも『御社は業績が安定して良い会社ですね』と言われるけど、自分の給料は上がらない。きっと会社がケチっているからに違いない」のだそうです。言いがかりに近い気がしますが、その会社は当時、評価制度や給与決定の仕組みができておらず、給与はそれなりに評価した上で決めていたものの、社員にはそれを知るすべがなかったために、そんな子供っぽい不満になっていたようです。

またある会社では、「業績が厳しいというのに、役員クラスの無駄遣いがひどい」と言います。役員の方に状況を聞いてみると、「受注が厳しいので、既存顧客との関係強化策として、顧客と会う回数や量を増やしていて、当然接待などの付き合いも増えているので、社員からはそう見えてしまったかもしれない」とのことでした。
なるほど社員から見れば、業績不振なのにせっせと会社の金で飲みに行く、不届きな役員たちに見えていたという事です。

どちらも「誤解」といって良いと思いますが、誤解を招いた原因は会社側にもあります。断片的か、もしくはまったく状況を知らせていないというところです。
前者のケースでいえば、今がどんな業績で、会社全体はどんな給与水準で、その人はどんな評価をされてその給与に決まったかということ。後者のケースでは、やはり今の業績と、その改善施策としてどんなことをやろうとしているのかということになります。

視野を広く持てとはいうものの、人間はどうしても自分が見える範囲内の事で判断しがちです。その結果、勝手に誤解して、勝手にモチベーションを下げているとしたら、会社にとっても社員にとっても、こんなにもったいないことはありません。

「会社は社員が適切な状況判断ができるように情報提供し、社員は会社全体を正しく見通せる視野を持つように努力する。」
お互いの歩み寄りで、防ぐことができるモチベーション低下もあると思います。

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