2013年1月29日火曜日

求人件数と採用人数と採用基準の関係


最近、自分の周辺で「転職した」という話を聞く機会が少なくなった気がします。人材流出を減らすことが課題だった企業でも「最近めっきり人が辞めなくなった」という話を聞きます。今のような環境だと、転職願望はあっても実際に活動しようという意欲は薄れ気味なのかもしれません。

一方で倒産や雇用調整などで、必要に迫られての就職活動という方も沢山いらっしゃると思います。就活中の学生さん達も同じでしょう。就職活動をしている方々は新卒中途を問わず、皆さん一様に「厳しい」とおっしゃいます。活動中の方々にとっては、やはり求人状況というのは気になるものです。

少し前のことですが、求人媒体を扱う代理店の方にお話を伺った時、「ここへ来て企業からの問い合わせや依頼が増え、取り扱う求人件数が増えてきている」とおっしゃっていました。今まで採用を見合わせていた企業が再開したり、「新卒はムリ」とあきらめていた企業が取り組みを始めてみたり、という事が増えてきているとのことでした。

これで雇用環境も改善か?と思いたいところですが、その時のお話では、求人情報一件あたりの採用予定人数は1人とか2人とか、あまり多くないことがほとんどだそうで、全体の人数はそれほど増えているとは言えないのではないか、とのことでした。
またある人材紹介会社の方に伺った話では、「長い間募集している求人があるのだが、かなり吟味した上で紹介しても、なかなか決まらない」ということを聞きました。成功報酬の人材紹介だからという事情もあるでしょうが、それだけ採用基準も高く、企業側も採用には慎重なのでしょう。

雇用環境を判断する材料として、有効求人倍率や求人件数などの統計上の数字を用いることが多いですが、それだけでは測れない実態があります。求人件数が増えて求人倍率が求職者にとって緩和されても、実は採用基準がやたらと高かったり、「良い人がいれば」程度の採用意欲だったりと、その中身は実はいろいろです。

求人件数が増えれば、それが明るい傾向なのは間違いないですし、私のお付き合いしている企業でも採用意欲の高いところがたくさんあります。こんな複雑な状況を見ていると、つくづく企業と求職者のマッチングの重要性を感じます。
企業と求職者の間をつなぐ人たちの位置づけが、これからはものすごく重要になってくるのではないかと思います


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