2013年3月22日金曜日

組織変更の難しさ-もっとうまく進められる?(1)


4月から人事異動組織変更で、仕事の環境が大きく変わる方々もたくさんいらっしゃると思います。特に組織変更というのは、これからの事業展開上の様々な効果を狙って行われます。

私は在籍していた会社で合併を二度経験しています。組織変更としては、与えるインパクトも変化の度合いもかなり大きなものです。私はどちらも人事関連事項の統合作業にかかわりましたが、この経験を通じての私個人としての反省は、「もっとうまい進め方ができたはずでは・・・」という思いです。

合併によって、確かに会社の規模は大きくなり、企業データの見かけは良くなりました。経営的なメリットはたくさんあったと思います。しかし、社員の視点で見ると、現場の帰属意識の低下や、多くの人材流出がありました。合併したからといって、業務内容や待遇が急に良くなるわけではありませんが、逆に急に何かが悪くなったわけではないにもかかわらず・・・です。それほど居心地が悪いと感じる人たちがいたということでしょう。

そんな大きな変化ではなくても、自分の部門が統合されたり、分割されたり、なくなってしまったり、新たに発足したところに配属されたりして、知らない人たちと仕事をするようになった、上司が変わった、仕事のやり方が大きく変わったということはあるでしょう。
そんな中では、もちろん良いこともたくさんあるでしょうが、同じ会社とは思えないほど周りの考え方が違ったり、どう考えても今までより非効率なやり方を要求されたりすることもあるでしょう。人間はちょっとした違いでモチベーションを上げたり下げたりします。

企業経営の中で、組織変更はもちろんのこと、合併というような選択肢も、取らなければならない場面が必ずあると思います。ただ、そんな時に一番負担がかかるのは、実は現場でがんばっている社員なのに、そこへの配慮が希薄なことが多いように感じます。組織体制を作って「後はよろしく」という感じのことが多いですが、組織を立ち上げたからといって、物事が動き始める訳ではありません。その成否は、直接そこにかかわる人たちの働きに委ねられます。

私が組織変更合併などかかわる中では、「もっと社員を前向きにさせながら進めることができるはずなのに」と思うことがたくさんありました。組織変更をやったことによるプラス効果というのは対外的に告知されたりしますが、内部起こっているマイナス情報などは、あまり表に出てこないものです。しかし、本当の意味で組織変更が成功したというためには、実際に働いている社員たちが、心から成功だったと思えることが一番重要ではないかという気がします。

これから数回、私の合併で経験したことを中心に、自戒も含めて書いてみようと思います。合併でなくとも、内部的な組織統合や新組織の立ち上げなどでも同じようなことはあると思いますので、何かの参考になればと思います。


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