2013年6月18日火曜日

「隠す」より「どうやって伝えるか」


日本野球機構が統一球の仕様を変更したことを隠していたことが批判を浴びています。単に隠していたというより、関係者に口止めしたり、変えていないとを言い続けたり、この期に及んで知らなかった、不祥事ではないなどと言っているので、さらに始末が悪いと感じます。

「混乱を避けるために隠した」とのことですが、この論法は一般の企業の中でも見受けられることがあります。
正真正銘の不祥事や不正を隠すようなことは論外ですが、「どうせ言ってもわからない」「どうせ反発するだけだろう」「どうせ会社の立場は理解できないだろう」など、“どうせ・・・だろう”との言い方の中で、だからあえて説明しない、伝えないという選択をしてしまいます。

隠そうと考える側は、「混乱させたくない」「不安を与えたくない」「反発を買いたくない」などと言いますが、だいたいにおいて、隠したことによって混乱し、不安を与え、反発を買います。
また、「この人、隠されたら怒るだろうな・・・」という経営者や管理者に限って、隠して公にしないということを考えがちです。自分目線ばかりで、その行為が相手にとってどうなのかという視点を見失っています。

企業の中では、「隠す」ということより「どうやって伝えるか」を考えるべきです。当然個人によって理解の程度も違うでしょうし意見も違うでしょう。反発が表面化するかもしれません。だからといって隠したとしても、問題をあいまいに先送りしただけで、改善にも解決にもつながりません。

個人的な隠し事は誰でもあるでしょうし、そんなものだと思います。しかし、会社組織の中で「隠す」ということをする限り、ともにビジネスに取り組む仲間としての信頼関係は築けません。結局は業績が上がらない組織になるだけではないかと思います。
「隠す」のではなく、できるだけ混乱させないように、できるだけ不安を与えないように、できるだけ反発を買わないように、そういうことに配慮して、「どうやって伝えるか」が大事です。


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