2014年8月1日金曜日

「週休4日で月収15万」はゆるいと言いきれるのか


メンバー全員がニートで、株主かつ取締役でもあるということで話題となった「NEET株式会社」が、「ゆるい就職」と銘打って、週休4日で月収15万円を目指すという派遣事業を始めたそうです。
多様な働き方を模索する中で、私は面白い企画だと思います。

ただ、当事者も含めて「ゆるい」と言っているものの、本当にそう言い切ってしまってよいのかということを、私はあえて思います。

確かに既存の概念で考えれば、週7日のうちの半分以上の4日が休みであれば、楽なのかもしれませんし、月収15万を時給に直すと、1400~1500円くらいの計算になるので、一般的なアルバイトの時給と比べるとずいぶんな好条件に感じます。人によっては「勤労意欲の低いやつが自分の都合よく働こうとしている」という見方もあるでしょう。

ここでちょっと視点を変えて、サッカー選手としては世界一、二といってよいリオネル・メッシ選手の年俸を週給に換算すると約2,160万円、クリスチアーノ・ロナウド選手の場合は週給約2,052万円になるのだそうです。すごい金額だと感心はしますし、中にはもらいすぎと思う人はいるかもしれませんが、拘束時間が短くて時間単価が高いからと言って、単純においしい仕事、ゆるい仕事という感情はあまりわいてきません。
少なくとも私自身は、トップクラスの才能がある人に対しての尊敬の気持ちしかありません。

また、ヤンキースの田中将大投手の年俸は23億だそうですが、年間30試合に投げると仮定してこれを1試合当たりに換算すると、約7,667万円になるそうです。
さらにこれを1試合100球前後で、中4日で投げるとすると、1球投げるごとに76万円超を稼いでいる計算になるのだそうです。

これも、やはりすごいという気持ちとともに、単純に1試合換算、1球換算などをしたところで、それ以外の時間の準備に当たる部分、例えばトレーニング、食事や生活の管理や節制、その他やらなければならないことへの時間は全く計算されていませんし、実際の仕事の大変さを考えれば、ただ時間と金額を基準に数値化したことには、あまり意味がないように思います。

この見方と同様に考えれば、この「ゆるい就職」でも、普通の正社員も週2日は休みなので、あと2日休みが増えただけです。時給換算した給料も、若手の正社員並みの金額ですから、決して法外な感じではありません。

結局この「ゆるい」という表現は、それを言う人が自分の仕事内容や報酬と比較して、主観としてゆるいとかきついとか、すごいとか大したことがないとかを勝手に思っているだけのような気がします。でも実際の仕事は、そんな単純な尺度では測れないことがたくさんあります。

週休4日、月収15万の仕事でも、決して「ゆるくない部分」があるのではないかと思います。見かけ上の休みが多い、単価が高いから「ゆるい」仕事だという固定概念自体が、実は一番問題なのではないかと思います。


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