2014年8月20日水曜日

組織でも重要な「血液検査」


国立がん研究センターなどが、13種類のがんを1回の採血で発見できる最先端の検査システムの開発に着手し、数年後の実用化を目指すと発表したそうです。
この手法では1回で複数の疾患を検査でき、症状が認識できない段階でも発見できるという画期的なものだそうです。

こういう研究が実用を前提にしておこなわれるということは、技術の進歩によるところも大きいのだと思いますが、こんな取り組みを見ていると、血液検査で発見できることは、かなり多いのだという気がします。

血液というのは体のすみずみまでくまなく流れている訳ですから、その中には多くの情報が秘められているということで、それを注意深く調べれば得られる有益な情報は、まだまだたくさんあるのではないかと思います。

このように体の健康を守る考え方は、会社などの組織にも当てはめることができます。
組織全体を人間の体に例えたとすれば、血液にあたるのは組織内の様々な情報であり、これを組織内で行き来させるための血流が、人と人とのコミュニケーションと情報流通という捉え方になります。

そして、もしも組織上で何らかの課題がある時、多くの場合では誰が悪い、どこの部署が悪いという捉え方になりがちですが、実際に起こっている組織課題の多くは、誰か個人が悪さをしているという場合より、上司部下のコミュニケーションが悪い、部門内の情報共有が悪い、拠点間の連携が悪いなど、人と人との間に存在する場合がほとんどです。
人体に置き換えれば、血液そのものの質や血流の良し悪しに関わる部分であり、組織の一部で血行不良のようなものが起こっている場合が多いのではないでしょうか。

組織課題の解決というと、ともすれば問題がある場所を特定し、それを排除、矯正することで問題解決を図ろうとしますが、これは人体の治療方法でいえば、外科手術的な手法ということになります。
しかし、実際の組織課題というのは、このように病巣がはっきりしている場合ばかりではなく、病気というほどではないが何となく調子が悪い、何となく気分がすぐれないなどという場合もあります。そんな場合の多くは、ちょっとした血行不良に類するような場合です

組織の健康を守り、健全な組織を保つ上では、人の体と同じように、血液の健康が大事になります。人と人とのコミュニケーションや情報流通の状況、情報そのものの質がどうかということです。

組織上の課題解決においても、血液や血行状態にあたるコミュニケーションの質や流通している情報の質に注目し、この「血液検査」のような意識で取り組むと、本質的な問題解決につながっていくのではないかとおもいます。


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