2015年12月18日金曜日

「直接会うこと」の境界線が変わってきている?



地方に本社があるIT会社で、東京支社に勤務する女性営業職の方にお話を聞く機会がありました。
技術者はほとんどが地方の本社にいるそうですが、「それではコミュニケーションを取るのが大変では?」と尋ねると、「いつも細かく打ち合わせをしているので、全然問題はありません」「よく話もしていて、技術と営業は仲が良いんですよ」などとおっしゃいます。

よほど頻繁に本社と東京を行き来しているのかと思ったのですが、「本社には年一回の全社ミーティングの時しか行かないので、向こうの地域の話題とかは全然わからないんです」などと言って笑っています。

お分かりの方もいるかもしれませんが、お互いのコミュニケーションの大部分は、スカイプなどでのテレビ会議やテレビ電話なのだそうです。

「それでは直接会っていることにならない」「実際に会って話すことが大事」などとおっしゃる方がいるかもしれません。
ただ、私もテレビ会議などをクライアントの都合でときどきやることがありますが、意外に直接話している感覚が持てて、ストレスはありません。
最近は会議スペースのテーブルの向こう側に大型のスクリーンを設置し、そこに等身大の相手方が映るような会議システムもあると聞きますので、そんな中で話していれば、さらにリアリティが増すように感じられるだろうと思います。

一昔前までは、「直接会うこと」に次ぐコミュニケーションは、電話による音声か、メールなどのテキストによるものでした。この間にはわりとはっきりした境界線がある感覚でしたが、ここに相手の映像や動画が加わってくると、この感覚がずいぶん変わってきます。

「直接会うこと」がコミュニケーションの上で最も好ましいのは変わらないでしょうが、それを実行するには、必ず時間と距離の問題が出て来ます。これを電話やメール、手紙だけで埋めようとしても、会って話している感覚には絶対になりませんが、テレビ会議などを使うことで、直接会っている感覚でのコミュニケーションの頻度を上げることができます。
直接会うのは週一回でも、間にテレビ会議が挟まれば、本当に毎日会っている同僚のような感覚になり、「私たち仲がいいんです」などと言える気持ちもわかるような気がします。

「直接会うこと」とそうでないことの境界線は、IT技術の進歩とともにどんどん変わっているように思います。
こんなツールをうまく使っていけば、「会ったことはないけど仲良しの友達」などと言える関係もできるのではないかと思います。そうなることがあったとして、それが自分の感覚として納得できるのであれば、それは全然悪いことではないと思います。


0 件のコメント:

コメントを投稿