2017年11月20日月曜日

仕事が「好き」と「楽しい」と「面白い」と「やりがい」の感じ方



ある記事に、最近よく言われる「仕事は楽しんでやるべきだ」という話に対して、お笑いコンビ「オードリー」の若林正恭さんが、「エンジョイハラスメント」という言葉を使って異を唱えたというものがありました。一部反論はあるようですが、多くの共感が寄せられたということでした。

これはあるテレビ番組の中で、「朝起きて“会社に行きたくない”と思わないでほしい」「仕事を楽しいと思ってほしい」という話に対して、「自分はネタ作るのなんて全然楽しくない」「だるいと思いながらも現場でちゃんとやって、“これでよかったかな”くらいでもいいと思う」「楽しいってそんな重要なのか」と話したというものでした。
他の出演者の中には、「責任ある仕事を任されていたら、朝起きて楽しいなんて思えない」としつつも、「でも、仕事が好きと思うのは重要だ」などと言うコメントがあったということです。

この「仕事に関する思い」を表現する言葉には、「楽しい」以外にも「好き」「面白い」「やりがい」というようなものが思いつきますが、それぞれ少しずつ捉え方が違うので、私自身がどう思うのかを少し考えてみました。

まず、「仕事が好きか」と問われれば、今であれば「まあまあ好き」という答える感じです。ただ、それは独立して自分で仕事を始めてからのことで、それ以前にそういう感覚はあまりありませんでした。私の場合、これは自分の持つ責任や裁量の大きさによって変わってきたようです。

では「仕事が楽しいか」となると、今でもあまり「楽しい」という気持ちになることはありません。大変だとか、面倒だとか、やりたくないなど、どちらかといえば憂鬱な気分の方が多い感じがします。私の場合は、やはりまったくプレッシャーがない、ほぼ100%遊びの感覚でなければ、「楽しい」と言う感じになることはありません。

さらに「仕事が面白いか」となると、これはその時その時によって違います。私が面白さを感じるのは、仕事を通じて新たな気づきや発見があったようなときで、小さなことを含めて面白さはある日突然降ってきますが、割合としてはそちらの方が少ないので、「面白い」という感覚を持つ回数自体はそれほど多い訳ではありません。

最後に「仕事のやりがい」ですが、これは常にあると感じています。自分の知見やアドバイスや成果を求めている人や会社があって、どこかで誰かの役に立っているという実感はあるので、仕事に対する感覚としては、一番コンスタントに持っているところです。

ここまで私の感覚だけを一方的に並べましたが、こういうことは人によって感じ方が違う主観の部分です。
ここ何年かの新入社員に、「会社はどう?」と尋ねると、いい状態の者からは「楽しいです」という答えが返ってくることが増えました。ただ、この「楽しい」に対して、私は何となく「好き」も「面白い」も「やりがいがある」も一括りにして「楽しい」と言っている感じがしています。仕事に対して「楽しい」という感覚にならない私としては、ちょっと違和感があります。こういうことの感じ方は、きっと人それぞれ違いますし、それを表現する言葉も違うでしょう。

自分の仕事を肯定的に捉えられれば、それはとても良いことです。ただ、その中には「好き」も「楽しい」も「面白い」も「やりがい」も、他の言葉も含めてたくさんの感じ方があります。ただ、その中で「楽しい」というだけに言葉にこだわって、そうなることを他人から求められたりすると、「エンジョイハラスメント」などと言いたくなる気持ちはわかります。
人の主観に関わる部分は、「こうあるべき」などと言わずにそっとしておけばよいと思います。


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