2022年6月20日月曜日

「1on1ミーティング」が今一つうまくいかないとき

1on1ミーティングとは、上司と部下がお互いの信頼関係性づくりとともに、部下のパフォーマンス向上と人材育成などを主な目的として、週1回など比較的高頻度でおこなう1対1の話し合いをいいます。最近はこれを取り入れる企業が多く見られます。

 

これまで一般的だった人事評価面談とは少し異なり、あくまで部下が主役の扱いで、部下自身が考えて目標設定や行動につながるように、上司は支援役に徹することが大切とされます。しかし、実際にはなかなかそうなっていないことが多いようです。

 

つい先日、あるカフェでたぶん上司と部下が面談していると思われる場面に出くわしました。他人が大勢いる場所ですからそれほど深刻な話をしているわけではなく、もしかすると面談というより雑談のような感じだったのかもしれません。

あまり聞き耳を立てるのも失礼ですし、話がはっきり聞こえる状況でもなかったので、具体的な内容はよくわかりませんが、漏れ聞こえてくる単語からは、一応仕事の話だと思われました。

 

ここで気になったのは、上司と思われる人が、とにかく大部分の8割以上の時間を話し続けていたことです。部下と思われる人は、若干の質問や問いかけにあいづちを打ったり、反応したりはしているものの、話を聞かれているという感じではありません。あくまで見えている姿だけですが、上司の話を「聞かされている」ように見えます。

評価面談などのもっとオフィシャルな場になれば、さらに上司が話している比率が高いのかもしれませんし、もちろんそうでない場合もあり得ますが、この様子を見て思うのは、きっとこのコミュニケーションがこの二人の日常の姿なのだろうということです。

 

従来からの評価面談でも、最近の1on1ミーティングでも同じですが、これらが今一つうまくいかない場合に共通しているのが、「上司の話が多すぎること」です。

よく見かけるのは、上司が部下に一応質問したり問いかけたりはしますが、その話を聞いた後に自分が3倍くらい話し続けるパターンです。内容は様々なアドバイスであったり、場合によってはお説教ととれるような内容であったりしますが、とにかく話の量が多いのです。

上司としては、決して悪気があるわけではなく、むしろ部下に気をつかって一生懸命盛り上げて一生懸命アドバイスした結果でそうなっています。

 

私が見てきた中で、面談や1on1がうまくいかないという上司のほとんどには、部下に質問する量が圧倒的に少ない様子が見受けられます。上司自身が話したいことや伝えたいことへの意識が強すぎて、部下からの話をあまり聞いていません。またその自覚がないことも多いようです。

 

面談や1on1が今一つうまくいかないと感じたときは、質問を通じて相手の様子を聞き、相手に考えさせることが大切です。「話を聞いてもらった」と実感しなければ、相手は徐々に話すことをやめていきます。「話しても無駄」と心のどこかで思ってしまうからです。

 

「聞いてもらった」と思わせるには、相手にできるだけ多く話してもらわなければなりません。そのためには「質問すること」がとても重要です。

上司は質問力を磨かなければなりません。

 

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