2022年11月14日月曜日

「飲み会」に喜んで参加する会社とそうでない会社の違い

 最近は、社内の飲み会を昔ながらの古い習慣として、あまり好ましくこととはとらえられず、できれば避けたいと考える人が増えているといいます。社員旅行などはなおさらで、プライベートな時間をそこまで会社行事に投入するのは嫌だと考える人が多いと聞きます。

 

飲み会が嫌がられる主な理由には、「仕事の小言や説教をされる」「上司の自慢話に付き合わされる」「何か面白い話をしろなどの無茶ぶり」「お酌などや料理の取り分けなどの雑用係扱い」「有無を言わせず強制参加」「話が合わない」などが挙げられています。

ほとんどのことは上司からの威圧や強制なので、本当にこういう状況であったとすれば、飲み会が好きな私であっても行きたくないと思ってしまうでしょう。

 

一方、上司の側にも同情の余地はあります。共通の話題を一生懸命に見つけようとして、その行き先が自分の話か仕事の話になってしまい、結果として相手には退屈で実りがないもの、場合によっては反感を持たれてしまうものになっています。

世代の違いは仕方がないことですが、様々な人と幅広く、相応の話題を見つけてそれなりに会話することは、コミュニケーション能力の一環ということができます。うまくいかないというのは、お互いにそれが不足しているか、もしくは能力があっても歩み寄る気持ちがないということになるのでしょう。

 

ちょっとしたやり取りがパワハラ扱いされてしまうなど、コミュニケーションが難しい環境になっていますが、私が知っている会社の中には、飲み会や旅行を嫌がりそうな若い社員が多い会社であっても、そのイベントを社員のみんなが大好きで、盛んにおこなわれているところがいくつもあります。

 

そんな会社と、社員が会社行事を嫌がる会社との違いがどこにあるのかを見ていると、明らかに違っていることがいくつかあります。

最も大きいと思えるのは、みんながイベントを好む会社には、「一方的な強制」がほとんどないことです。

若い会社であっても当然それなりの年齢の人はいて、相応の役職についていることも多いですが、そういう人たちであっても、部下に対して「強制」「威圧」「自慢」「一方的な命令」といったことは一切見られません。仕事から離れた自分の友人に、一方的に命令したり強制したりする人はほとんどいないと思いますが、会社の中でもそれと同じような関係性でコミュニケーションをしています。このことで、会社行事が嫌がられる理由のほとんどが消えています。

 

もう一つは、ほとんどの社員が多かれ少なかれ、会社行事が「楽しかった」「仲良くなった」「情報が得られた」など、肯定的な体験を共有していることです。友人同士のようなフラットな関係が、良い意味で会社に持ち込まれている感じがします。

こういう関係を「厳しさに欠けるのでは」という人がいますが、お互いが上下に関係なく遠慮せずに意見が言い合える環境なので、逆にお互いが指摘し合うことによる厳しさがあります。上司が部下からダメ出しをされて、方向性を修正したような話がたくさんあります。

 

仕事中心の関係であっても、そこから離れた付き合いにもメリットがあることは、若い社員たちもよくわかっています。問題はそのメリットの中身で、話が合わない相手と仕事と離れたところまで無理して付き合っても、あまり良いことがないのは年齢問わずに同じことです。

 

飲み会や旅行などの社内行事が嫌われる会社は、社員間でのベネフィットが偏っており、一部の上層部だけが気分良く威張っていたりします。上司たちがこういう姿勢を改め、みんなにメリットがあるようにやり方をよく考え、環境を整えて実施すれば、若い社員であっても喜んで参加するようになります。

 

「若い社員は飲み会を嫌がる」などという単純な話ばかりではありません。

 

 

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