2022年12月5日月曜日

「ハラ・ハラ」という言葉の意味

セクハラ、パワハラをはじめとする職場でのハラスメントの問題は、様々なところから相変わらず耳にします。

ちょっと挙げてみると、妊娠・出産・育児に関して女性社員を不当に扱う「マタハラ(マタニティハラスメント)」、教員の権力濫用では「アカハラ(アカデミーハラスメント)」、お酒を無理強いすれば「アルハラ(アルコールハラスメント)」、カラオケを強要すれば「カラハラ(カラオケハラスメント)」、体臭などで周りに迷惑をかける「スメハラ(スメルハラスメント)など、その他「○○ハラ」という言葉は、今は数限りなくある感じです。要は不快な感情を持つ可能性があることすべてが、「○○ハラ」と呼ばれることになるのでしょう。

 

職場の問題で言えば、やはり「パワハラ」が最も大きな問題であり、具体的にどんなことがあったかを当事者に聞くと、それはダメだろうと思うような事例はいまだに多々あります。上司に対して会社から強いプレッシャーがかけられている場合などは、同情を感じることもありますが、やはり上司が自分の意思や価値観に基づいて部下をコントロールしようとして、そこに強制や威圧や脅しのような態度、言動が行われていることがほとんどです。

 

その一方、「それは果たしてハラスメントと言えるのか?」と思うような事例を聞くことがあります。失敗やミスを少し叱ると「パワハラだ」と言われたり、部下の仕事ぶりを観察していて、たまたま目が合った女子社員から「いやらしい目で見られてセクハラだ」と言われた上司がいました。

ある書籍によると、部下に「お子さんは元気?」と声を掛けたら、「職場で個人的な話をされるのはプライバシーの侵害だ」と言われ、会社のコンプライアンス窓口に通報された例があるそうです。

ある会社では、自分の意に沿わない人事評価の結果に対して、それは上司のパワハラだと言ってくる社員がいたそうです。決められた基準に基づいて評価し、その結果を何人かの上司と人事部門が確認し合うような、恣意性を排除する仕組みを取っているにもかかわらずです。

このように、自分が不快だと思った他者の行為や言動に対して、過剰にハラスメントだと主張することを「ハラスメント・ハラスメント(ハラハラ)」と言って、これもハラスメントの一種にあたるそうです。

 

ハラスメント対策として一般的に言われるのは、該当する行為を認識してそれを絶対にやらないことと、同じ行為でも相手が誰かによって感じ方が違うので、ハラスメントと言われないような信頼関係づくりをすることが挙げられます。

ただ、相手には一切歩み寄る気がなく、信頼関係を作ろうという気もなく、すべて自分の主観に基づいて相手の行為を指摘することをやり続けるとしたら、問題解決につながる見込みはほぼありません。これはクレイマー対策に似たようなところがあり、その状況によっては毅然とした対応が必要になることも考えられます。

 

ハラスメントは絶対に許されないことですが、これを自分の都合よく使おうとする人がいることも確かです。

ハラスメントの問題への向き合い方は、これまでとは少しやり方を変えていくことも必要になってくるのではないしょうか。

 

 

 

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