2013年6月12日水曜日

みんなプロのはずなのに!


つい先日、仕事の移動中で都内を歩いていた時、小学生の女の子二人が小走りで横断歩道を渡ろうとしたところへ、2トントラックが左折してきました。一瞬危ないかと思いましたが、女の子二人が気づいて立ち止まったので、何事にもならずにすみました。

トラックの運転手さんを見ると、携帯電話片手で話していて、歩行者には全く気づいていません。一歩間違うと事故になるところです。「ドライバーさんは運転のプロであるはずなのに!」と怒りの気持ちになりました。

プロとか専門家というと、「私はそんなレベルではありません」とおっしゃる方がいます。しかし、仕事としてお金をもらっている限り、私はその全員がプロだと思います。経営者だろうがサラリーマンだろうが自営業だろうが、どんな職種でどんな役職だろうが、自分が発揮した能力で報酬を得ているということは、プロであるということです。異動で仕事が変わったって、会社を転職したって、やっぱりプロはプロです。
「自分の営業スキルなんて、この会社でしか通用しませんよ・・・」などと言っている人もその会社では営業のプロですし、「まだまだできない事ばかりで・・・」なんていう新人レベルでも、できる範囲のことではプロのはずです。

ただ、仕事というのはだいたい日常生活の中で習慣化しているものですから、よほど意識していなければプロ意識を持つ機会なんて無いかもしれません。毎日同じような仕事で、毎月だいたい同じ頃に同じ給料がもらえるとなれば、よけいにそうなってしまうでしょう。

そうだとしても、無責任、人任せ、やる気のなさ、不正行為、その他仕事上で起こるミスなどの大きな原因の一つは「プロ意識の欠如」ではないかと思います。「まだまだそんなレベルでは・・・」という発言には、自信のなさも謙遜もあるでしょうが、プロであるという責任から逃げているところもあるように思います。

「職業人はみんなプロである」ということを、もっと意識してもよいのではないでしょうか。そうすれば、今回偶然見かけたような光景もなくなっていくのだと思います。


2013年6月11日火曜日

またチヤホヤする気? の新卒採用


先日ある都内の交差点でのこと、近くで合同企業セミナーのような就活イベントがあったようで、リクルートスーツの学生さんが大勢歩いていました。
その交差点で、たぶん企業側の関係者と思われる人が、通りがかる学生さんたちに声をかけています。パンフレットを配り、結構長い時間引き留めて何かいろいろ話しています。学生さんだって企業の人と思えば邪険にできないでしょうから、足を止めて話を聞き、にこやかに応対しています。どうも自社説明会への勧誘か何かをしているようです。

その後ちょっと時間があったので、近くのカフェに入ったところ、あとから学生さんらしい二人を引き連れた、人事部長っぽい人と担当者かリクルーターらしい数人のグループが入ってきました。聞こえてきてしまった話では、そのイベントに出ていた某有名私大の学生さんを連れてきて 自社の会社アピールをしているようです。もしかすると囲い込むことが目的かもしれません。

私は企業の採用活動のお手伝いもしますが、こういうキャッチセールスまがい、ナンパまがい、勧誘まがいの活動は絶対にやめて頂くようにお願いしています。ミスマッチを助長しがちなこと、会社の評判を落とす恐れがあることからです。

どんな人でもチヤホヤされれば、何となく舞い上がってしまうことも少なくないと思いますが、採用活動の場面で学生さんに対して行うと、学生さん自身は冷静な判断がしづらくなります。面と向かってラブコールされれば悪い気はしませんし、「この人は良さそうな人だから・・・」などと会社自体とは関係ないことが判断基準になったりします。「いろいろ考えさせないことが狙いで、入社させてしまえばこっちのもの」なんて会社もあるようですが、これはまさにミスマッチの温床です。

また、チヤホヤしたからといって、会社は全員を入社させようと考えているわけではありません。さんざんチヤホヤされたあげく、「あなたは不採用でした」と事務的な通知が一通届いたとしたら、これを学生さんからみれば、あの時言われたことは何だったの?と不信感を持ってもおかしくはありません。その会社に対して良い印象を持つわけはありませんから、広い意味での企業イメージに悪影響を及ぼします。今はネットなどを通じて、悪い噂はあっという間に拡散します。

ここのところ、雇用環境が劇的に良くなっているとは言えませんが、多少変化の兆しが見えるということで、こんな焦ったような動きをする会社が出てきているという話を聞きます。ただこれは、学生さんを勘違いさせてしまったり、冷静に考えさせたりする機会を奪うから良くないことだと、過去に学んだのではなかったのだろうかと思います。やはり需給バランスが崩れると、同じことを繰り返してしまうのでしょうか。

過去を教訓にして、学生の親身になって良識ある採用活動をしている企業はたくさんありますし、こういうアプローチには振り回されずに活動している学生さんもたくさんいると思いますが、流されてしまう人が増える危険が高まるのも事実です。

採用活動、就職活動は恋愛、結婚と似たところがあります。双方にとって良い結果になるためには、駆け引きではなく、お互いの相性と信頼関係です。
できるだけ多くの人が自分に合った仕事にめぐり合える、企業にとっての良い採用活動、学生にとっての良い就職活動になることを願って止みません。


2013年6月8日土曜日

感じが悪かった名刺交換


いろいろな方々とお会いしてお話をさせていただく目的で、異業種交流会にときどき参加します。
参加する方々の大部分は、自分のビジネスに前向きで、新しい人脈や出会いを求めている人達ですが、ごくたまに、自分の都合ばかりで一方的にアプローチしてくる人がいます。

ある交流会で、お相手は40代から50代くらいの女性でしたが、名刺交換をしたとたんに私の名刺には目もくれずにバッグにしまい、自分の商材のパンフレットを渡され、一方的に自分の話をして去っていきました。

さすがにこれはないなぁと思いながら、その人の様子をついつい見てしまいましたが、やはり誰に対しても同じ態度です。商談につなげようという行動にはとても見えませんでした。

ここまでの話で大部分の方々は、「そんなことで商売になる訳がない」「失礼にもほどがある」などと思われるでしょうし、私自身も「どんなに良い商品やサービスでも、アンタからは買わない!」と思ってしまいますが、ごくまれではあってもやっぱりこういう方はいらっしゃいます。

多くの人がNGと思ってしまうような行動を、なぜ取ってしまうのでしょうか。私がいつも考えていることは2つです。
●「せっぱつまっていて余裕がない」「相手を気遣う感性がない」などの自己中心型
●「売れても売れなくても関係ない」「続けて交流する気がない」などの当事者意識欠如型

未知の方との人間関係を作ろうとした時、自分と相手の双方がWin-Winになれるように、相手の立場も考えながら交流することが重要だと思いますが、これを妨げる意識として、よく言われる「自己中心」ということとともに、「当事者意識のなさ」ということもその要因になります。「どうせ二度と会わない」とか「旅の恥はかき捨て」のような心理があると、相手に対して雑な対応、失礼な態度をしがちになります。当然良い人間関係は作れません。

そう考えると前述の女性は、何とか商談につなげようというよりは、名刺とパンフレットをバラまくことが目的のようでした。上司か誰かに指示されるまま参加しているだけで、その場にいる人と自分が引き続いて付き合う必要もなく、言われた事だけを事務的にこなしていたのかもしれません。当事者意識がなかったように見えました。

商談やビジネスの人脈作りだけでなく、友達作り、仲間作り、そして私が関わるような会社の組織作り、その他人間関係を構築するすべての場面において、やはり「相手目線」と「当事者意識」は必須事項であるということを、あらためて感じた出来事でした。


2013年6月7日金曜日

「協調」を“強調”しすぎる落とし穴


日本の会社では、強い個性や自己主張を好ましく捉えないところがあると思います。「協調性がない!」と言われれば、良い意味であることはほとんどないでしょう。周囲の人と合わせない、話を聞かない、自分勝手・・・。そんな文脈での批判的なニュアンスであることがほとんどだと思います。

組織の中で、協調性はもちろん大事ですし、チーム力の向上を考えれば不可欠です。日本人的な強みとして、協調性が語られることも多いように思います。

ただ、協調ばかりが行き過ぎになることでのデメリットもあります。よく言われるのは、責任を取らない(または責任の所在を明らかにしない)、なれあい、個々の向上心の欠如などですが、ある会社のITプロジェクトチームでこんなことがありました。

30代のリーダー、20代後半のサブリーダー、入社3年目が2名と新人1名の5名のチームでしたが、リーダー、サブリーダーは非常に部下の面倒見がよく、常に教えたり様子を気にかけたりしています。チームの和を重視し、全員とても仲が良く、お互いにいろいろ話し合っていてコミュニケーションも良好でした。
これだけ見れば何の問題もなさそうですが、なぜかこのチーム、すべてにおいてレベルアップしないのです。もちろんそれなりに経験を積んではいますが、誰かがぐっと伸びるとか、チーム力が上がって顧客の評価が増すとか、そんなことはほとんどありません。特に技術的なスキルの面でそんな傾向がありました。

このチームのリーダーとサブリーダーは、部下にいろいろ教えてはいるのですが、それは部下が困ったり立ち往生したりしないように、わからないことの答えを教え、具体的なやり方をいつも指示しています。相手の成長や育成を意図して、教育しているとはいえませんでした。
またリーダー、サブリーダー自身も、自分たちのレベルアップ、スキルアップにはあまり取り組んでいません。突き上げてくる人がいる訳でもないし、身近に手本がいる訳でもありません。今のままでも当面の業務には何の支障もありません。要はスキルアップしなくてもそんなに困らない状況だったということです。チーム全員が仲良しの裏返しで、あまりお互いに競争心もありません。
結局、過度に協調している結果として、チーム全体の平均値よりも、さらに低いレベルで横並び、平準化されてしまっていたということです。

どうも、お互いの人間関係に波風を立てず、平穏でいられるという意味での「協調」を最優先にしてしまうと、こんなことが起こってしまいます。
どんな事でも結局バランスですが、“協調”とともに“競争”も“向上”も“衝突”もなければ、本当のチーム力向上にはつながりません。

「協調」を“強調”しすぎると、「全体のチーム力がレベルダウンする恐れがある」ということは、肝に銘じておく必要があると思います。


2013年6月5日水曜日

よく道を尋ねられる人


「私って、よく道を尋ねられるんですよね」という人に、ときどき出会います。
そういう私自身も、外を歩いているときによく道を聞かれます。周りに他の人が大勢歩いていても、私が声をかけられるので、たぶん自分の思い込みだけではないと思います。
もちろん、できるだけきちんと教えますし、一緒に地図を見たり、わかりそうなところまで案内したこともあります。

以前、採用活動をお手伝いしているクライアントの会社説明会をある公共施設で行ったときのことですが、その施設では他にも多くの会合があったようで、説明会場の案内役をしていたある男性社員に、いろんな人が全然関係ない会合の場所を次々に尋ねていました。

その男性社員は、ちょっとおとなしい感じですが、真面目な優しい方で、本来ならば関係ない人から関係ないことを聞かれているのですが、「それはここの会場みたいですよ」などと真面目に案内していました。(他の社員からは、「この施設の係員と間違われているんじゃない?」なんてからかわれていましたが・・・。)

道を尋ねられる人と、尋ねられない人の違いが何なのかと考えてみましたが、結局は見た目や雰囲気、第一印象しかないはずです。
私は具体的な分析はできませんが、たぶん声をかけやすいと感じる、答えてくれそうと感じる何かがあるのだと思います。また、よく聞かれるということは、多くの他人がそう感じるということです。さらにその見た目の感覚というのは、意外に合っているように思います。一人ひとりは感覚でも、数が重なれば客観です。

他人がその人に対して持つ何らかの印象というのは、自分が意識していないこと、気づいていないことも多いはずです。他人の第一印象に影響することというのは、やはりその人の日々の行動や考えていることなどで、その人の内面が見えてしまうということなのだと思います。
自分の第一印象をよくしたいと考えるならば、結局は自分の内面を磨く事しかないように思います。

そんなことを考えていたら、「道を尋ねられるのは、意外にいいことかも」と思っています。


2013年6月4日火曜日

オフィス環境から見える会社の風土


久しぶりに一部上場企業のオフィスにうかがう機会がありました。
受付にはタッチパネルPCとつながった電話があって、訪問先を部署名でも内線番号でも個人名でも検索ができて、検索結果に直接内線が発信されるシステムでした。
今はそんなの当たり前と言われるかもしれませんが、私はここまでの感じは初体験で、部署名や役職名などを忘れてしまっていても通じるので、よくできていると感心していました。
通されたのは普通に社員が使えるらしい応接でしたが、机も椅子も立派だし、上層階で眺めもいいしと、やっぱりオフィス環境への投資の仕方が違うなぁと思いました。

私もいろいろな会社におうかがいしますが、オフィス環境には経営者の考え方や社風が結構はっきり見えるものです。
業種によってもずいぶん違いますが、例えば社員が増えて伸び盛りのITベンチャーなどだと、デザインがおしゃれで開放的な作りだったり、逆にファッションに頓着がなく、赤ちょうちんが好きそうな社長さんの会社では、やっぱり地味で質素だったりします。体育会的な営業会社だと、なんとなく部活の部室みたいだし、クリエイティブワークの会社だと、仕事に関係ない遊び道具があったりします。
オフィス環境がどんな作りになっているかは、一つは社外の人からどう見えるか、もう一つは社員がどう感じるかを、それぞれどんな風に意識しているかによって、大きく差があるようです。

オフィス環境について私が言いたいのは、決してお金をかけて豪華にしろということではなく、今ある環境や社内風景は、経営者と社員の総意でそうなっていることを認識すべきということです。
特に散らかっていたり、何となく雑然としているような会社は、やはり仕事の進め方もそうなっていることが多いです。

ある会社で応接に通されたとき、前の来客の茶器がそのまま置いてあったことがありました。イスがバラバラになっていたり、机が汚れていたりということもありました。
そしてそういう会社にお話をうかがうと、チームワークが良くない、お互い周りを気にしない、挨拶をしない、礼儀がなっていないなんていう話が必ず出てきます。組織風土がオフィス環境に表れているということです。
また、会社として欲しいと思う人材タイプがあったとして、もしもそういう人が好まないオフィス環境になっていたとしたら、採用活動にも悪影響があるでしょう。

組織風土改革の一つの方法として、オフィス環境を変えるということがあります。
机やイスが新しくなれば大事に使うようになるし、みんなの机が片付いていれば自分だけ書類を積み上げてはおけないし、応接の管理を徹底したら、後に使う人への気遣いをするようになるなど、形から先に変えることで、それによって人の行動が変わるということがあります。

オフィス環境は、経営者や社員を映し出す鏡のようなところがあります。あえてオフィス環境から先に変えてみることで、組織上の課題解決につながることがあると思います。


2013年6月1日土曜日

「相手の立場で考えること」の難しさ


ある日、朝イチからお客様先に向かう途中のことです。
8:30頃でしたが、いつもは全く混んでいない道路が、今日はやけに渋滞しています。渋滞の先を見ると、街路樹の剪定作業をしていました。作業用のトラックが一車線をふさいでいて、交通整理の人が交互通行で車を誘導しています。渋滞にはまった車の人たちを見ると、みんな「今ごろ何やってんだ?」という感じでキョロキョロ様子を見たり、時間を気にして不機嫌そうな顔をしています。

私も「みんな急いでいるに決まっているこんな朝のラッシュ時に、通行を妨げるような作業をするなんて、いったい何を考えてるんだ!」と思いました。「こんな時間帯に通行制限をしたら、どうなるかぐらいわからないのか」と思い、「どうせ役所の担当者か誰かが、状況も考えずに発注して作業させているんだろう」などと考えました。

・・・と、ここまでの話で、皆さんはどうお感じでしょうか? 私と同じように、批判的な気持ちを持たれたでしょうか? たぶん、そういう人の方が多いのではないかと思います。

私は、後になってもう一度、“何か理由があったのだろうか”と考えてみました。
「スケジュールの問題でどうしてもその時にしかできなかった」
「業者の予定がそこしか空いていなかった」
「いつまでにやらなければならないという時期の問題があった」
その他、予算消化の問題、事務手続きや決済の問題など、いろいろ思いつくことがありました。
勝手に「どうせ状況も考えずに・・・」と思っていましたが、もしかするとその時間帯を何とか避けられないかとさんざん考えて、その結果止むに止まれずのことだったのかもしれません。

私もいろいろな場面で「相手の立場を考えて・・・」という話をしますが、自分の価値観、感覚から大きく外れたことまでそう考えるのは、やはりなかなか難しいです。
結局は個人の「受けとめ方」次第なので難しい訳ですが、この「受けとめ方」はコントロールできるという部分もあります。

例えば、静かな部屋で大きな音を立てられたら「うるさい!」と思いますが、「音を立てたら1回につき100円の迷惑料を払います」という条件がついたら、逆に誰かが音を立てないかと楽しみに待ったりするようになります。前提が変わると「受けとめ方」が正反対になったりすることがあります。
今回の件も、「何か事情があったのではないか?」という受けとめ方にすると、ずいぶん感じ方が変わるはずです。

「相手の立場で考える」というのは難しいことですが、自分なりに「受けとめ方」をコントロールすることを心掛けるだけでも、少しはマシな捉え方ができるのでは、と思います。