2012年12月6日木曜日

「望ましい人物像」の意見交換


ご支援しているクライアントでの新入社員受け入れのOJT準備の研修の中で、「新入社員の育成にあたって会社として望ましい人物像はどんなか」、「それに基づいて新入社員の1年後はどんなレベルまで到達していて欲しいのか」を、ワークショップの形で意見交換を行いました。
人材育成の中で、ゴールイメージや達成目標が具体的になっているとより行動がしやすいという事があるので、これをできるだけみんなで共通認識することが目的でした。

望ましい人物像と言われると、受講者の皆さんからは「前向きな人」、「素直な人」、「礼儀正しい人」、「積極的な人」といった、ごく一般的に言われる抽象的な内容が出てきます。これを参加者同士で意見交換をしながら、具体的にはどういう事なのかを掘り下げていきます。

例えばどういう行動が見られると前向きと捉えられるのか、そもそも前向きってどういうことなのか、素直とはどんな態度や行動が当てはまるのか、何ができていると礼儀正しいのかというように、できるだけ具体的になるようにブレイクダウンしていきます。私は講師ですが、あくまでファシリテートするだけで、議論が深まるように質問を投げかける役に徹します。

そんなやり取りをしていると、例えば「素直」と言っているのは「物事を肯定的に捉えられる人」のことであり、それもただ言われた事を鵜呑みにする訳ではなく、自分なりに考えて確認すべきことは確認できる人ということでした。

そうすると「前向き」とか「積極的」と表現されていた所とつながっていることがわかったり、人によって同じことを違う言葉で表現していたことが判明したりします。

「礼儀」と一言でいっても、接客であれば一流ホテルのレベルから近所の八百屋のオバちゃんの接し方までいろいろあるし、挨拶の仕方だって最敬礼から会釈まであります。そんな中で自分たちの会社で言っている礼儀正しさとはどういうレベルなのかを問いかけて確認して行きます。そうすると「相手から好感をもたれる挨拶」→「笑顔で目を見て声に出した挨拶」などと、どんどん具体的になっていきます。

このワークショップだけでは時間が足りなくて、本当の意味での具体化レベルまでは到達できなかったのですが、それでも自分たちなりに考えるきっかけにはして頂いたようです。

このように社員同士の間で、何となくの雰囲気や以心伝心で通じているつもりになっていたことを、あらためて掘り起こして話題にしてみると、案外違う事を考えていたことがわかったり、新しい発見があったりということがあるものです。

今回は「望ましい人物像」というテーマでしたが、それ以外でもこんな取り組みを社内研修や定例会などの機会を使ってしてみると、意外に効果があるのではないかと思います。


0 件のコメント:

コメントを投稿