2013年2月1日金曜日

社内講師による研修の良さと難しさ(1)


今は社内研修のお仕事を頂く立場の私ですが、企業人事として社内研修を企画するという逆の立場も長く経験してきました。

特に中小企業で社内研修をやろうとすると、研修会社に頼むほど予算もないし、懇意の講師もいないし、社内講師で何とかしようと考えることは、意外に多いように思います。

確かに外部講師を頼むと相応のお金がかかりますし、時としてこちらの意図する効果が得られないこともあります。(これは講師の力量の問題だけでなく、意図する研修内容の伝え方やテーマと講師の相性など、依頼する側の問題もありますが・・・。) 
「それなら社内で何とかしてしまおう」となります。

私はIT系の企業にいましたが、この手の会社では表向きに人材育成を売り物にしていることが多く、新卒採用などでは「きちんと研修して育てます!」的な言い方でアピールします。
よって社内研修も、新入社員対象の技術研修の比重が必然的に重くなり、これを講師役の社員が手作り感満載で実施するような会社が多かったわけですが、これでは研修テーマにしても進め方にしても研修対象にしても、当然偏りが大きくなってしまいます。
最近はこのあたりも、業界全体的にずいぶん改善されてきて、研修対象も社内各階層に、テーマも技術スキルだけでなくヒューマンスキルやマインドも、社内講師だけでなく外部講師も、という形になってきています。

最近ある会社で、「社内講師で研修を実施したが、大変な不評だった」というお話を聞きました。内容を聞くと、一方的な講義形式の研修を毎日2時間ずつで計3日間、テーマも財務諸表とか労働法規とか、一般知識として知っておいた方が良いがすぐに活かすというものでなく、講師は関連部門の人が持ち回りでやったということでした。研修内容もそれぞれの講師役の社員に丸投げだったようです。
たぶん「研修をやれ」と会社の上層部から言われ、思いついたテーマで話ができそうな人を社内講師に仕立てて、とりあえずやったということなのでしょう。

私はそのお話を聞いた時、企画された方や講義された方には大変失礼ですが、「そんな研修は受けたくない」と思ってしまいました。前向きに捉えようとしてもやっぱり面白くなさそうだし、そんな研修は次の実施に向けての悪影響になります。「この前は役に立たなかったし、今度も同じだろう」と思われてしまいます。片手間のやっつけ仕事の研修ならば、やらない方がマシです。

社内講師で研修するにあたっては、研修テーマや進め方、研修対象などによって向き不向きがあります。そのあたりを見誤って漫然と研修しても、せっかくやったのに下手をすれば逆効果?なんてことになりかねません。
研修を企画する上では、やはりこのあたりをしっかり認識した上で行うことが重要であろうと思います。


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