2013年2月9日土曜日

リーダーシップが無いと組織はダメなのか?


会社で、経営者や役員、管理職のリーダーシップに関する批判が良くあります。もちろんしっかりとリーダーシップが取れる方は多数いらっしゃいますし、皆さん様々な努力もされていますが、組織がうまくいかない原因を「リーダーシップが足りない」「リーダーの能力不足」ということは多いように思います。でも本当にそうなのでしょうか。

先の震災後のことですが、私が被災地でのいろいろな人たちの活動、行動を見聞きしていて思ったことが、現場主義と現場力の強さです。
それぞれの組織やコミュニティが、それぞれのできる範囲や持ち分の中で、それぞれ力を発揮して行動していたと思います。残念ながら「国」などというレベルでのリーダーシップはあまり感じられなかったけれど、トップダウンのある意味では余計なリーダーシップに期待せず、その分現場の主体性や自己判断を活かし、それが結果的に「良いチーム」につながっていたように思います。

これを企業に置き換えた時、グローバルな企業では少し事情が違うかもしれませんが、日本人が大半の日本的な企業であれば、これと同じような動き方があります。この現場主義と現場力が、特に日本的な組織での強みだと感じます。逆に度が過ぎた現場依存となった時、これが弱みと言えるのかもしれません。

トップダウンとボトムアップのバランスは、組織作りでは永遠のテーマですが、特に日本の会社においては、いろいろな事を現場に任せる「権限委譲」をどうするかということが、組織作りにキーワードになるように感じています。
強いリーダーシップを持ったリーダーのもとに結集する組織もあれば、徹底した現場主義、ボトムアップが持ち味の組織もあります。リーダーシップは大きな問題ではあるけれど、それがすべてではありません。

私の仕事は、「人事という切り口で、活力がある組織・チームを作るお手伝いをする」ことです。これからの自分の取り組みに、こんな感覚をうまく活かしていければと思っています。


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