2013年4月27日土曜日

精緻な制度と運用コスト


会社組織に制度、仕組み、システムは必須です。制度化、仕組み化、システム化を進めることで、徐々に効率が上がっていきます。ただ、こういう流れに慣れてしまうと、往々にして行き過ぎが出てきます。 
細かく制度化、仕組み化、システム化をすることで、誰がやっても同じ結果になるようにすることを目指すのですが、実際にはそれが効率化に貢献しない、つまり効率化される以上に運用コストがかかるという状態です。

身近で起こりがちな、わかりやすいところでは、

○ 似たような中身の手続き書類がたくさんある
○ 書類に押されるハンコの数がやたら多い
○ 社内の報告会がイベント化し、管理職が何日もかけて報告書類を作っている
○ 何を話し合うか決まっていないが、とりあえず出席しなければならない会議がある
○ 「決まりだから」という理由だけで、やらなければならない作業がある

などというところです。

私が出身のIT業界では、仕事の性質上もあってシステム化に対する意識が高い事が多く、その反面で「理屈ではそうだけど・・・」「それはやり過ぎでしょう」というところに陥りがちな傾向があります。そもそもの目的を見失って、「その作業、手続きを行うこと」目的化していたりします。

実際の話、例えば野球やアメフトのように、ワンプレー毎にベンチから指示が出せるような競技であればまだしも、サッカーやラグビーのように、ゲームが始まったら多くの部分を選手自身が判断しなければならない競技では、すべてをパターン化して事前に教え込もうとしても、それは難しいはずです。これをビジネスの世界で考えれば、業種や仕事内容によって差はありますが、圧倒的に後者のケースが多いはずです。

そもそも誰がやっても同じにできるなら、マネージャーなど不要でただの監視役がいれば良いことになり、個人の資質も能力も関係ないということになってしまいます。無人化できる工場のような仕事内容ならいざ知らず、そういう仕事は会社の中ではごく一部のはずです。

会社での制度化、仕組み化、システム化は「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。個々の社員の能力を見極めた上で、どこまで決めてどこまで任せるのかを、バランス感覚を持って考える必要があります。
私は「人は機械ではないので、もっと信じて任せてみれば?」と思います。



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