2013年4月6日土曜日

新年度心機一転の会社


 4月は多くの会社が新しい年度を迎えます。そんな中で新年度を心機一転で迎えた会社のお話です。

決して業績が悪い訳ではなく堅実に伸びてきた会社ですが、中小会社ゆえに、今までは仕組みではなく個人間の信頼関係で動いてきたという面があり、そこから来る一種の閉塞感やマンネリという雰囲気がありました。

その問題意識を元に、制度や規程作りを進めていましたが、社内の閉塞感の一因として、社長自身の考え方に「社員にあまり余計な心配をかけたくない」「余計な情報を与えて勝手な解釈をされたり混乱させたくない」というところがあり、また社員をあまり数字で縛りたくないという部分もあったようで、情報開示や説明に積極的でないところがありました。当然社内の活動もトップダウンになりがちでした。

その後、社長自身もずいぶんいろいろな形で情報収集をされたり勉強されたりしたようで、新年度を迎えるにあたって、より効率的に動けるように組織を再編し、情報機器など作業環境を整備し、人事制度や社内規程を整備し、事業計画書を作成し、全社に向けて説明会を実施して目標を社員と共有するということを行いました。

社員主導の委員会活動も組織し、今までトップダウンになりがちだった社内活動を、社員が自主性を発揮できる場に作り変えました。
要は必要な決まり(判断基準)を作り、社員に一定の情報を与えて自律を求めたということです。

この結果、社員の反応は大きく変わり、特に今までマンネリ感を感じていたであろう中堅、中核の社員が「これだけ舞台を整えられたらやるしかないでしょう」という言い方をしはじめ、積極的な提案も増えているようです。

行った施策は世間一般から見て特に目新しいことはありません。また今の意識を維持するためには、今後もいろいろな働きかけが必要でしょう。

ただ、仕組みややり方を少し変えるだけでは、人のモチベーションはなかなか変わらないものですが、トップの意識と行動が伴えばこれほど変わるということを久しぶりに目の当りにし、あらためて経営者の姿勢の大切さを感じているところです。

組織風土改革には、「良いトップダウン」が絶対に必要だと思います。


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