2013年10月11日金曜日

大きすぎない方が良い「社内制度への期待」 


それぞれの会社には、いろいろな社内制度があると思います。

私が関わる事が多いのは人事制度ですが、これを整備しようと考えるきっかけには、大きく二通りあるようです。
一つは会社の規模拡大や組織化の必要性に伴って、新たなステップを考えての場合で、もう一つは、すでに運用している制度があるものの、方向性が合わない、思うように機能しないなど、実態との不整合が生じてきた場合のいずれかです。

そんな中でときどき見受けられるのは、制度を作ったり変えたりするということで、“何かすべての問題が解決する”“画期的に変わる”など、効果を過度に期待していると感じる場合があることです。特に中小企業や比較的社歴の浅い企業にそんな傾向があります。

これは、そのような企業では、いろいろなことがまだまだ属人的に動いていて、仕組みや制度を作って組織を動かすという経験が必ずしも多くないために、出てきた課題の原因を「制度がないから」「制度が悪いから」と考えがちなところがあるように思います。

また、現場の事情をあまり把握できていない経営者や管理者も、これと同じような考え方をする傾向があります。たぶん現場で行われている仕事のプロセスや人の様子などがよくわからないため、形になっていて自分の目にもとまりやすい「制度」や「仕組み」の方に目が向きがちなのだろうと思います。

いずれの場合も、「制度を直せば解決する」と、制度見直しを過大評価して捉えているように見えてしまうことがあります。

しかし、人事制度の場合でいえば、対象としているのは「人」なので、最後の部分は個人の感情までつながってきます。制度で決まっているからといっても、自分の役割や評価や給料について、それだけで納得できるわけがありません。

誰が評価したか、どんな説明をされたか、話す姿勢や態度、評価する側とされる側の人間関係、その他いろいろな要素によって、制度がもたらす効果は変わってきます。
毎回機械的に同じように対応しても、反応は違ってきます。やはり「人」が対象ということで、運用面に左右される要素が大きいということがあります。

人事制度だけでなく、社内制度というのはその仕組みができたからといって、それで一件落着となることはほぼありません。制度と運用が相まっての社内制度です

あまり過大な期待をせず、できたところで初めてスタートになるという認識を持っておくことが良いのではないかと思います。


0 件のコメント:

コメントを投稿