2020年12月3日木曜日

「不公平だから」と在宅勤務に踏み切れない会社

 

新型コロナをきっかけに、在宅勤務をはじめとしたリモートワークはずいぶん導入が進みました。

出勤する比率はここ最近でまた増えていますが、これも感染状況によって増やしたり減らしたりの調整がされるのでしょう。

そういう調整ができるようになったこと自体がかなり大きな進歩ですし、すでに日常的な働き方の中にリモートワークが組み込まれていて、コロナの収束状況に関わらずこのままのワークスタイルを続けるという会社も出てきています。

 

一方、リアルの方が効率的なものがあることもはっきりしてきましたし、効率だけでない心理的な側面や健康面でも、リアルとリモートそれぞれのメリットとデメリットのあることがわかってきました。

例えば、通勤がなくなったことで可処分時間増加や体力温存ではメリットがある一方、運動不足になった、読書時間がない、気分の切り替えができないなどのデメリットもいわれるようになりました。仕事をするリズムの中で、通勤時間もそれなりに意味がある時間だったということでしょう。

こんなことを含めて、これからはそれぞれのバランスを取りながら、より良い働き方を考えるようになるでしょうから、「働き方の多様化」という意味ではとても良いことだと思います。

 

ただ、こんな状況の中でも、リモートワークには一切取り組んでいない会社はまだまだあります。

先日お話を聞いた会社も、そういう状況の会社でした。緊急事態宣言中は全社で一斉休業だったそうで、その後はこれまで通りの全員出社体制のままで来ているそうです。

 

社内でもいろいろな議論はあり、決して問答無用で否定しているわけではありません。社員から希望する声もあるそうですし、実際に導入すればそれなりに対応できる業務はあるとのことです。

ただ、そこでネックになっているのは、まずは原則チームでないと仕事が進められないこと、さらに大きいのはリモート対応できる社員とできない社員がはっきり分かれてしまい、不公平感を助長してしまうからだということでした。

 

確かにみんなで集まって、チームとして、場を共有してでなければ進められない仕事はあります。これは業種の偏りもありますし、同じ社内でも職種の偏りがあります。

ここから先の対応は会社によって違っていて、多少のことには目をつぶって走りながら考えようとリモートワークを進めていく会社がある一方、不都合や不公平が起こるデメリットへの注目が強くて、なかなか実施には踏み切れないという会社があります。

 

これはある有名企業ですが、同じようにチーム重視のワークスタイルから出社して勤務する体制を続けながら、全社一斉で週一日のリモートワークを導入しています。たぶん個々の社員は出社しなければできない仕事とリモートでできる仕事を振り分けて、それぞれの予定で業務の進め方を組み替えているはずですが、これによって無駄な仕事があぶり出されることもあるでしょう。

事業継続の点からも、リモートワークができないといって経験しないままでいるよりは、いざという時に何ができて何ができないかを知っておくことのメリットがあります。

 

リモートワークについては、「不公平だから」などと懸念する気持ちはわかります。ただ、だからやらないのではなく、やってみた上でできることとできないこと、不都合なことを考えてみる方が、結果的にはメリットが大きいのではないでしょうか。

いろいろ新しいことが出てきている中、慎重になりすぎずに「とりあえず実行してみる」という考え方が大事になってきているように思います。

 

 

サービス残業是

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