2020年11月30日月曜日

採用時の見込み違いは必ず何か思い当たる

採用面接で面接官をやった経験がある人はわかると思いますが、どんなに細かく見たつもりでも、必ず何かしらの見込み違いがあります。懸念したことが大丈夫だったという良い方向もありますが、たぶんそうではない見込み違いの方が、数も多くてよく覚えているのではないでしょうか。

 

私が一番覚えているのは、ある応募者に退縮理由を聞いたとき、会社からあまり正当な評価をしてもらえなかった、上司や周りとの折り合いがあまり良くなかった、変な噂を立てられた、責任を擦り付けられた、プロジェクトが顧客都合で消滅してしまったなど、誤解や不可抗力がたくさんあったような話をしていました。そのときは他の受け答えの様子などを総合して採用したところ、実は自己正当化がとても多いクレーマー気質で、周りの人とも顧客ともうまくいかず、結局短期間で辞めてしまったことがありました。

面接で話していた不可抗力はあくまで自分がそう思っていただけで、前職の上司はたぶん正当な評価を下しただけ、噂や責任転嫁も自分勝手な思い込み、プロジェクトは消滅ではなく外されただけというのが実態のようでした。

あとから思えば、面接のときの話しぶりでは多少自分にも改善の余地があったかのような謙虚さのニュアンスがあったので気づきませんでしたが、結局言っていたことは「自分は悪くない」ということだけでした。適性検査には「マイペース」「協調性不足」「感情の起伏あり」といった傾向が記されていましたし、一番気づくべきだったのは、他にも何社か転職していて、その退職理由についても似たような内容を話していたことでした。やはり同じ人間は同じようなことを繰り返すものです。

 

採用の見込み違いは、お互いのためにはないに越したことがありませんが、残念ながらそれほど簡単なことではありません。私自身もそういう見込み違いは、本当に数多くの経験があります。経験を積んで少しはマシになっているかもしれませんが、やっぱりゼロにはできません。

これはプロ野球やJリーグなどの一流のスカウトのような人でも、見込んだ選手が100%芽を出すということではありませんから、「人を見る」というのは本当に難しいことです。

 

ただ、これを後になって考えてみると、少なくとも私はほとんどの場合で何かしら思い当たることが出てきます。わりとよくあるのは、適性検査のコメントを後から見直して、「このコメントが言っていたのはこういうことだったのか」とか「出ていた特性はこういうところで出るのか」など、当初はあまり気にとめなかったり見過ごしていたりしたことが、その時に初めて意味が分かるといったことです。

他にも「そう言えばあんなことを言っていた」「あの時あいまいににごして済ませてしまった話だ」など、小さなことでも必ず何かがあります。それに気づくには勘と経験が必要だと思いますし、逆にそうやって慎重になりすぎても、人を採用することはできなくなってしまいます。

 

私が経験上で思うのは、「善意な解釈はたいてい間違う」ということです。過去に同じ経験があればそれを同じようにこなすことはできますが、「似たようなものだから」「慣れれば大丈夫」といったこちらの勝手な都合に合わせた善意な解釈は、ほぼ思ったようにはなりません。期待外れと言うよりは、期待する方が悪いのだと思います。

 

採用時の見込み違いは、その片鱗が前もって必ずどこかに見えています。それを防ぐにはあとから見直して反省し、それを蓄積していくという地道なやり方が結局は一番なように思います。

 

 

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