2020年11月26日木曜日

気づいた頃には手遅れになりかねない社内の年齢ギャップの話

ある業界のコンサルティングに関わっていますが、各社にほぼ共通した課題があります。

30代以下の若い年齢層の社員がいないという世代ギャップの問題です。業界固有の事情はありますが、中小企業では多かれ少なかれ、どこでも同じ問題を聞くことが多いです。

それでも、それなりの社員数がいて、その中の最年少が45歳などと言われると、さすがに会社のこれからを危惧してしまいます。将来を担う社員が見当たらないのは、本当に怖いことです。

 

年齢は関係ない、実力次第という話は確かにそうで、これは年功序列で年令を理由に頭を押さえられること、役職定年など年齢を理由に役割を外されることの両方がありますが、これとは反対に年齢に相関することも確実にあります。

 

体力、運動能力、記憶力など、年の割にはということはありますが、年齢とともに確実に劣化します。視力、聴力などはどうしようもありません。

シニアはそれらを経験で補った総合力で仕事をするわけですが、やっぱりシニアと若手では特性が違うわけで、お互いに補完し合わなければなければできないことがあります。

 

もうひとつ、これもやっぱりどうしようもないことですが、年齢が近い者同士の方が気が合います。これはどの年齢でもそうです。似た時代の文化の中で過ごしてきたことのバックボーンは、緩いものでも共通項としてお互いの親密さに影響します。

こういったことから、仕事のしやすさとか、会社への定着とか帰属意識とかを考えると、各年代にまんべんなく社員がいた方がメリットは大きいです。

 

しかし、中小企業ばかりでなく、一部の大企業でもそうなっていないのは、やはり採用活動が、目先の仕事状況や景気の波に左右されているからです。

その場のことを優先して考えていて、そこから時間が経って辞める者がいて人数も揺れ動いて、それで年令構成がいびつになり始めた頃に、その状況に初めて気づいたりします。そしてその頃には穴が空いた年齢層の人は簡単には採れないことになっています。

仕事能力の年齢ギャップは本人の頑張りや育成で何とか埋められることもありますが、年令に基づくお互いの親近感は、周りからはどうしようもありません。

 

こればかりは画期的な解決策はなく、気づいたところで採用を頑張ることと、そうならないように定期的に年齢構成を確認して、欠員補充ではない採用と育成を進めておかなければなりません。

さらに少子化で日本の若者は減っていきますから、少し違う視点の考え方も取り入れなければならないでしょう。女性、シニア、外国人などを活かすことはすでに言われていますが、社外専門家や副業人材への業務委託、より一層のIT化、その他今まで考えていた以上のさまざまな発想が必要でしょう。

 

まずは、自社の社員の年齢構成の状況を振り返って、気づいて、すぐに行動を始めるしかないのではないかと思います。

 

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