2021年10月18日月曜日

「テレワーク」のとらえ方いろいろとこれからのこと

最近、テレワークについての調査結果で、いくつか目についたものがありました。

 

一つは20代の転職意識や職業観の意識調査で、それによると「転職活動において、“テレワーク”の制度があると志望度が上がるか?」という設問に対して、「上がる」が50.8%、「どちらかと言えば上がる」が30.5%で、合わせると8割以上の転職希望者は「テレワーク制度で志望度が上がる」としています。

 

テレワークをしたい頻度に関する設問では、「週に3~4回」が27.1%と最多で、次が「週に1~2回」で21.8%、「毎日」が11.6%となっています。

ただ、2か月前に同じ調査をしたところでは、「毎日」が18.2%で、新しい結果より6.6ポイント多かったそうです。最新結果で変化した分は「テレワークを希望しない」が3.3ポイント増、「天候不良など不定期」が1.9ポイント増など頻度を減らす方向に希望がシフトしており、その理由としては「チームで情報共有する時間が欲しい」「直接のコミュニケーションも大切」「週1回でも出社したほうがメリハリをつけられる」「テレワークと出社の組み合わせで、対面でやり取りをする機会も確保したい」など、実際にテレワークを経験したせいもあるのか、出社して顔を合わせなければできないことがあるとの認識が増えてきているようです。

 

テレワークが可能な職種にもかかわらず、その制度がないのは許容できないが、実務上では適切な使い分けが必要で、チームで取り組む仕事やお互いの信頼関係作りは、テレワークでは難しさがあると感じている様子がわかります。「出社にこだわる上司との衝突」などの事例を耳にしますが、この結果からは、若い働き手たちがとても真面目で良識あるとらえ方をしていると感じます。

 

もう一つは来春卒業予定の学生を対象にした「テレワークと給与」に関する調査で、「“月収25万円で出社勤務”と“月収18万円でテレワーク勤務”でどちらを選ぶか?」を聞いたところ、「25万+出社」「どちらかといえば25万+出社」の合計が84.9%で、「18万+テレワーク」「どちらかといえば18万+テレワーク」の合計15.1%を大きく上回ったとのことでした。グーグルが「テレワークを継続する社員の給与を、最大25%削減する方針」と発表したことから、学生の考えを調査したとのことで、結果としては圧倒的に給与重視ということでした。

ここでのコメントとしては、「同じ仕事で給与が違うなら高い方を選びたい」「給与に差が出るのは出社のほうが重要な仕事ということで、自分の成長を考えると出社したい」「通勤がないから妥当」「給与が減るのか仕方ないが、その分副業を認めてほしい」などとありました。

 

この2つの調査は、どちらも若い世代を対象にしたものですが、意外にテレワークの本質をついているように感じます。すべての職種で毎日出社する必要はなく、かといってすべてテレワークで完結するのは、人の心理的、感情的な面を含めて難しいでしょう。

この1年半から2年の間、多くの企業でテレワークが実施され、できること、難しいこと、その影響などがかなり明らかになってきました。「生産性を下げることなくできている」という話がある一方、それが上がったという話はあまりなく、逆に「業績に悪影響が出始めた」という会社もあります。会社としては通勤費やオフィス経費は下げられたが、それ以上の大きなメリットは見つけられず、社員は通勤がなくなって可処分時間が増えるメリットはあるが、経費面、孤独感、作業効率など、細かな負担として増えたものがあります。

 

技術革新などで環境は変わっていくと思いますが、これから当面の間のテレワークは、この調査で割合の高かった意見が、その進め方の一般基準になっていくのではないでしょうか。

 

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