2014年3月12日水曜日

「仕方がない」を前向きに変えるひと工夫


これはあるラーメン店で、最近出会ったことです。
そのお店は、カウンターが10席ほど、4人掛けのテーブルが4つほどの広さで、それなりに人気もあってときどき表に何人かの行列ができているようなお店です。

行ったのはお昼どきだったので、お店は当然混んでいてほぼ満席です、テーブル席の方も、常にいろんなグループのお客さんたちが相席しています。

そこで聞いていてちょっと感心したのが、「相席にご協力頂いているので、トッピングを一品サービスします」と言って、テーブル席のお客さんたちに注文を聞いていたことです。

昼食時の相席なんて、だいたいどこでもあるもので、イヤとかダメとか断っている人を見たことはありませんが、では相席がうれしいかと言われれば、それは違うと思います。「自分は別に気にならない」という程度がせいぜいでしょう。
みんな本音を言えば、あまりうれしくはないけど、混む時間帯だし、お互い協力した方が良いだろうということで、「仕方がない」と思っているのだと思います。

ただ、このお店のように、ちょっとサービスするように工夫しただけで、感じ方はずいぶん変わってきます。このサービスがあることで、場合によっては「ぜひ相席したい」なんて言う人が出てくるかもしれません。

これは少し違う例ですが、みんなが静かに勉強でもしているような中で、急に大きな音を立てられたら、ほぼ全員が「ああ、うるさい!」と不快な気分になるでしょうが、例えばこれが「大きな音を立てる人がいたら、その場の全員が500円もらえる」という前提があったとしたらどうでしょうか。こうなると、大きな音を立てる人が出てくるのを、意外に楽しみに待ったりするようになります。

このように、人は自分の周りで起こった事象について、初めに必ず、「それが自分にとって快か不快か」という感情での受けとめをします。そしてその受けとめはあくまで感情なので、ちょっと異なる前提が加わると正反対に変わることがあります。

会社の中でも「イヤだけど仕方がない」「良くないけど仕方がない」と無理やり納得しようとしているようなことがたくさんあると思います。行事の参加が少ない、会議の集まりが悪い、会話が少ない、雰囲気が重苦しい、・・・。

でも、この「仕方がない」という感情を、ちょっとのひと工夫で前向きに変えられることがあるというのが、今回たまたま目にしたことを通して思ったことです。
「仕方がない」で思考停止に陥らず、自分たちでもちょっとひと工夫を試してみてはいかがでしょうか。


0 件のコメント:

コメントを投稿