2015年2月2日月曜日

ホークス工藤監督の「禁止語ルール」に通じる、組織人事での言葉イメージの大切さ


福岡ソフトバンクホークスの工藤公康監督が決めた、選手への禁止事項が話題を集めているそうです。
行き過ぎた茶髪やひげ、試合中のガムやツバ吐きに加え、「できません」や「わかりません」といったネガティブな言葉もNGなのだそうです。
選手たちはルールに従う意向とのことですが、ファンの間では、特に「わかりません」の指定には納得できないという人がいるなど、その効果を疑問視する人もいるとのことです。

この「わかりません」のNGが妥当なのかどうか、これは人によって捉え方が違うでしょうし、チーム事情や監督の考え方を確かめることができない私としても、このあたりは何とも言えないところです。

ただ、私が今まで経験してきたことと共通するのは、チームを束ねるということでの組織人事の中でも、どんな場面でどんな言葉を使うかということは、実は非常に大事なことで、実際にもかなり気を遣っているということです。

これは最近あった例ですが、役職呼称を「○○マネージャー」などと横文字表現をしていた会社が、「課長」「部長」などの一般的な呼称に変更したということがありました。
「○○マネージャー」というと、どうしても現場に近いフラットな立場をイメージしてしまいがちで、この立場にいる人たちの責任感が希薄になったり、リーダーシップが低下したりという様子が見え、あえて権威付けしたイメージを強めるために、、「課長」「部長」と呼ぶことにしたのだそうです。

また、これは私が以前書いたことですが、自社の人事評価制度のことを、「評価」と呼ぶところ、「考課」と呼ぶところ、「査定」と呼ぶところの、三つの呼び方に出会います。
(『「評価」と「考課」と「査定」の違い』 http://unity-support.blogspot.jp/2012/12/blog-post_27.html
当事者は同じような意味で使っているようですが、言葉が違えば厳密な意味は違い、それぞれの言葉のニュアンスが、実際の制度運用の中にも出てきます。

社内で一般的に使っている言葉や何気なく使っている言葉が、実は企業風土や組織のムードを象徴していたりします。
ですから、組織風土改革に取り組む中での一つの手法として、企業理念、社内制度、上司のスピーチや訓示などを通じて、“日常使っている言葉から変える”というような方法をとることもあります。

 組織の中で使われる言葉は、そこに属する人たちの価値観を無意識のうちに表現しています。もしも良くない雰囲気や好ましくない行動が見受けられたとしたら、その周辺で使われている言葉を見直してみることも一つの方法です。
組織風土の中で、言葉の持つイメージが影響していることは、意外に多いはずです。


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