2016年1月8日金曜日

あらためて思った「すぐに身につくことはすぐに消える」ということ



年明け以降、特にインターネット上の様々な記事や情報を見ていて思ったことがあります。それは、「ダイエット」に関するものがやたらと多いことです。

“正月太り解消”と称して、その方法や心得が出ていますが、裏を返せば、それほど多くの人が、この時期には興味をもって見ている内容だということです。

やっぱりお正月というのは、家族や親戚が集まって、食べたり飲んだりする機会が多くなりますし、それが何日も続き、なおかつ体を動かす頻度も少なくなりがちですから、急に体重が増えてしまうようなことも多いでしょう。かくいう私も、やはり数キロ太った感じがあります。

ただ私の場合、これは毎年のことで、年明けの仕事が始まって1、2週間もすれば、ほとんど元に戻ってしまいます。特に意識して何かをするということはありません。

これは、正月太りを結構気にしているような人であっても、まぁ1月の後半にでもなれば、ほぼ元に戻ることが大半なのではないでしょうか。なぜそう思うかといえば、例えば、夏ごろになってもまだ「正月太りが・・・」と言っている人には、いまだかつて出会ったことがないからです。

結局、短期間の非日常で身についたものは、日常のリズムに戻れば、すぐに消えて元に戻ってしまうということです。そこにはそれほど多くの努力や意識は必要ではないでしょう。
一方、同じ「ダイエット」でも、長い期間をかけて身についたものでは、そうはいきません。それこそ正月太り対策で書かれている内容を、それなりの期間でコンスタントに続けなければなりません。忍耐も努力も必要になるでしょう。

このように、長期にわたって蓄えたマイナスは、同じような期間をかけなければ解消できないことが多いと思います。これは、見方を変えれば、長い期間かけて身につけた強みや技術や知識は、そう簡単には錆びつかないということも言えます。長期で蓄えたプラスは、同じく簡単に失うものではないということです。

私は企業の人材育成にもかかっているので、ついついそんな場面と重ねてしまいますが、そこでも結局同じようなことが言えます。
相当に刺激的な研修などをやり、その場では盛り上がって、変化する様子が垣間見えていたとしても、その後何も手を加えなければ、3か月もすれば何事もなかったかのように元に戻ってしまいます。

研修の専門会社などでも、このあたりは当然わかっていますが、自分たちが日常的にかかわり続けることはできないので、あえて見えやすい目先の研修効果に意識が偏っている場合があります。企業の研修担当者も、それで良しとしているようなこともあります。

企業では常に短期的な成果が問われ続けるので、こればかりはやむを得ないところもありますし、目先の効果が見えるだけ立派であるとも言えますが、こういう取り組みには、どうしても「正月太りのダイエット対策」に通じるものを感じてしまいます。

やはり人材育成を考えるにあたっては、継続したコンスタントな取り組みが必要だということは変わりません。
「すぐに身についたことはすぐに消え、長くして身についたことはなかなか消えない」ということを、あらためて思います。


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