2012年8月4日土曜日

「何が一番重要か」を考える習慣

先日、ちょっとした手続きがあって郵便局へ行きました。多少面倒なことはわかっていたのですが、古い通帳からの切り替えが必要などと言われ、同じような伝票を何枚も書かされて、やれ本人確認だの印鑑だのと、思いのほか時間がかかってしまいました。

担当の方は一生懸命作業をされていますし、手続き上いろいろな書類が必要な事はわかるのですが、「あまりにも無駄が多いなぁ」などと思いながら待っていた時、ふと窓口の横の壁を見ると「・・・のため、お待たせすることがありますが御了承下さい」と書いてあります。要するに“待つのは仕方ないから我慢してね”ということです。

それを見て思い出したのですが、ある大手宅配運送会社で、お歳暮時期の受付窓口に同じような張り紙を出そうとしたところ、社長さんが「忙しいのはこちらの都合で、年末に忙しいのは事前にわかっているのだから、お客様を待たせないためにどうすればよいか考えろ」と張り紙を出すことを許さなかったそうです。

またディズニーランドでは、成人式の際に晴れ着で来場する女性に、水に濡れるアトラクションには乗れないからと、お詫びの記念品を出そうと考えていたところ、「せっかく乗る事を楽しみにしてきたお客様を、なぜ乗せないようにすることばかり考えるのか」と指摘され、濡れずに乗れるようビニール製のコートを用意するようにしたという話を聞いたことがあります。

どちらも顧客にとって一番重要な事は何か、それを実行するためにどうしたらよいかを考えたという、当たり前と言えば当たり前のことなのですが、自分たちの一方的な都合を優先していたり、初めからできないと決め付けていたりすることは多いと思います。思考が固まっていると、そんな状態に陥っていることに気づいていないことさえあります。

人間は何事も自分たちの価値観に合わせて判断しがちですから、意識していてもなかなかできません。
ではどうすれば良いか…。常日頃から、「今の状況で一番重要なことは何かを考える」ということが大切ですが、まずは「決め付けずに前提から考える」という思考パターンを習慣付けることだと思います。

今まで「当たり前の前提」としていたことを、今一度見直すことから始めて見るのがよいのではないでしょうか。

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