2012年8月16日木曜日

マネージャーは「管理」してはいけない

最近読んだ書籍や雑誌記事、講演で聞いたお話で、共通するニュアンスとして感じたことがあります。それは「リーダー、マネージャーが管理に走ると、モラルやモチベーションが下がり、生産性も落ちる」というものです。

ここで言っている「管理」とは、状況を的確に判断し、的確な指示を出し、仕事の進み具合をチェックするというようなことで、これがきちんとできるということは、マネージャー、リーダーとしてはとても優秀なのだと思います。

ただ、いろいろな方が異口同音に語られていたのは、これをやられる側の部下、メンバーにとってはどうなのかということでした。
もし、自分で判断する要素も場面もなく、言われたことを指示通りにこなすことが要求され、場合によっては作業手順も指示され、それに則っているかを報告してチェックを受けるという仕事になったとしたら・・・。たぶん部下やメンバーに、やる気が出るはずがないと思います。

これを解消するには「管理」という名のもとに発揮される、判断力、決断力、統率力など、俗に言われる狭義のリーダーシップだけでなく、アドバイザー、ファシリテーター、モティベーターといった総合的な役割を駆使する事が必要で、本人に考えさせる、判断させるというプロセスが大事だということでした。

もちろんこういったことは、すでに多くの人が理解しているはずですが、実際の仕事の中では人間の気持ち、心理といったものの優先順位はどうしても低くなり、これらを理性で押さえつけようとしている事が多いのではないでしょうか。
上司は理性、理屈で説得し、部下は表向きには従うが心の中では納得していないという構図はよくあることですよね。

この見方を変えて、人間を気分よく働かせることを最優先して考えた方が、短期業績であっても好影響を及ぼすとの話を、偶然いろいろな方面から見聞きし、あらためてなるほどと思った次第です。

私は「マネジメント」という言葉が、今でも単に「管理」と訳されてしまうような所にも問題があるのではないかと感じています。「管理」という言葉のニュアンスが私はどうも好きになれません。

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